油小路花屋町下ル仏具屋町 お地蔵さんと西本願寺の伝道院~西陣織屋が金襴を探して。

こんにちは。都西陣金襴屋の岡本織物のブログを読んでくださる方々どうもありがとうございます。今日はいきなりですが宣伝から♪

今日、6月10日から21日まで東京・汐留の電通本社ビルにて「世の中ちょっとよくする展」が行われます。
http://www.dentsutec.co.jp/chotto/

電通テック 世の中ちょっとよくする展
電通テック 世の中ちょっとよくする展

その中の「School hat for our town」という企画で我が社の西陣織でスクールハットを作ってくれはったそうです。

今日、6月10日から21日までですので御近くに寄った方はどうぞご覧ください。
私も行きたい・・・。

 

京都西本願寺に行ったときにあたりをぶらぶらしてみました。
さすが仏具屋さん街。と言ってもお地蔵さんの割合は普通です。でも仏具は揃っていますね。ブロックに囲まれた祠。蝶番なども素敵。

油小路町花屋町下仏具屋 お地蔵さん
油小路町花屋町下仏具屋 お地蔵さん
油小路町花屋町下仏具屋 お地蔵さん
油小路町花屋町下仏具屋 お地蔵さん
油小路町花屋町下仏具屋 お地蔵さん
油小路町花屋町下仏具屋 お地蔵さん

戸帳の金襴は「蓮に桐唐草」。金具も綺麗。蓮華紋ですね。ここらへんの仏具屋さんが一丁肌を脱いだのでしょうか。

だって、ここの町名が仏具屋町。近所には数珠屋町という町名もございます。本願寺さんが出来た頃から門前町として栄えたのでしょう。

油小路町花屋町下仏具屋 お地蔵さん
油小路町花屋町下仏具屋 お地蔵さん

おお。中にはスタンダードなようでいて中々お見かけしないタイプのシンプルなお地蔵様がいはります。ちゃんとお座布団に座ってはります。

ここのすぐ側に西本願寺伝道院という建物がありました。実は西本願寺からこちらの屋根が見えて「あれは何かしら?」と思ったので捜し求めてここに来たのです。

こちらは1988(昭和63年)に、京都市指定有形文化財に指定されました。
1912(明治45年)に真宗信徒生命保険株式会社の社屋として建築されたものだそうです。昭和33年から昭和48年まで、大正15年設立の大日本仏教慈善会財団の診療所→本願寺伝道院となりました。

外観の和風や洋風、イスラム風などの東西文化が融合した和洋折衷がいい感じ。この建物を設計した建築家・伊東忠太が「日本オリジナルの様式建築を確立したい」という思想や理念が、1902年(明治35)から3年間、アジア・欧米留学をしてきた経験を踏まえた上で花開いているかのようです。外観はアン女王様式のヴィクトリア朝風の赤レンガに白い石の横じま模様、イスラムのサラセン様式、インド風、内装も和風意匠の天井にアール・ヌーヴォーの照明器具が使われていたりするらしいです。希望!室内に入りたいです!そんな建物も時代と共に荒れてきていたらしいのですが、宗祖親鸞聖人750回大遠忌法要を機に修復工事が行われて平成23年の3月にかつての姿がよみがえりました。ああ、「親鸞聖人750回大遠忌法要」私達、西陣織金襴屋にとっても嬉しい法要でしたが同時にこの素敵な建物も恩恵を受けていたとは・・・。奇遇よのぅ。一気に親近感が沸きます。

西本願寺 伝道院
西本願寺 伝道院

かっこいいです。単なる生命保険株式会社の社屋として建築されただなんて。昔の建築物って優美ですよね。

西本願寺 伝道院
西本願寺 伝道院

本願寺伝道院
この建物は、明治28年(1895)4月に設立された真宗信徒生命保険株式会社の社屋として、明治45年に東京帝国大学教授伊東忠太の設計、竹中工務店の施工により建築されたものである。当初は「本館」のほか「付属室」、「倉庫」の2棟。「物置、人力車置場、便所」、「屋根付伝ひ廊下」が建っていたが、現在は「本館」のみが残る。
伊東忠太は明治41年、日本建築もこれからは石材・鉄によらねばならず、しかもその建築様式は欧化でも和洋折衷でもなく、木造の伝統を進化させることにより生み出さなければいけない、という「建築進化論」を提唱し、日本の建築界に大きな影響を与えた。
建物はこの「建築進化論」の考え方を明確に表現した作品で、外観は古典様式基づくものの、開口部まわりや軒まわり、塔屋の形態などにサラセン洋式、日本の伝統的な洋式が用いられており、日本の近代建築の発展を知るうえで貴重なものである。>昭和63年5月2日 指定 京都市

ん?これは・・?変な動物が。車止めとして空想上の動物・怪獣の像の石柱が並んでいます。

西本願寺 伝道院
西本願寺 伝道院

なんだか個性的。最初、四角い石をどうにか節約して彫刻したからこうなったの?なんて思いましたがそんなわけあるはずも無く。こういう意匠なのですね。

西本願寺 伝道院
西本願寺 伝道院

こちらはべろを出してなんの幻獣さんなのでしょうか。愛嬌あります。

西本願寺 伝道院
西本願寺 伝道院

これは象さんや。

西本願寺 伝道院
西本願寺 伝道院

ペガサス?いや、二本足だから鳥でしょう。それにしても舌がベロベロ。

西本願寺 伝道院
西本願寺 伝道院

羽付き象さん。

西本願寺 伝道院
西本願寺 伝道院

この象さんは魔太郎みたい。

西本願寺 伝道院
西本願寺 伝道院

チョコボにしては背が低いですかね。

チョコボ
チョコボ

中に入ることは叶わそうですが、外観だけ見るのも楽しいです。西本願寺で仏様を拝んで、龍谷ミュージアム(現在 特別展として平山郁夫の「悠久のシルクロード展」開催中)に行って、伝道院見物というのもまた一興かと。あ、西陣織屋としては井筒ビルの「風俗博物館」(残念ながら6月中は休館中。)にも寄って頂きたいと思っています♪

風俗博物館のサイトの1ページなのですが、「虫垂れぎぬすがたで出かけよう:出かける前の予備知識」というページが面白い。是非、出かけてみたいものです。

 

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