パリ装飾美術館 「ジャポニスム2018」展
炭酸デザイン室×西陣岡本の共同制作「光る山」がパリ装飾美術館で開催される「ジャポニスムの150年」展へ選定されました。同展は、2018 年11 月15 日( 木) ~ 2019 年3 月3 日( 日) までパリ装飾美術館(MAD:Musée des Arts Décoratifs) で行われる「ジャポニスム2018」の公式企画の展覧会です。
西陣織金襴 光る山
「光る山」は、数ある日本の150 年の工芸・デザインの歴史の中から選ばれました。
「光る山」は1200年の歴史を持つ「西陣金襴」を100年以上織り続けている弊社「西陣岡本」と「炭酸デザイン室」が出会って生まれました。
「西陣岡本」は西陣織の職人集団です。弊社は長年、「極楽をあらわすための絹織物」として、金を織り込む絹織物を神社仏閣に収めてきました。その技術を応用した「光る山」はまるで曼荼羅のような美しさと輝きを持っています。
この「光る山」は絹の艶、金糸の眩しいほどの輝きは、見る人の心を豊かにし精神的な世界へといざないます。
光る山 春
「光る山」”霞の山”春霞の冷たい空気の中に暖かい光が差す風景
光る山 夏
「光る山」”涼の山”光の中の陰の涼しさ
光る山 秋
「光る山」”紅の山”紅葉の燃えるような紅
「ジャポニスム2018」
「ジャポニスム2018」は、日本とフランスの両国が連携し、日仏友好160 年にあたる 2018 年に、フランスのパリ市内の会場を中心に、“日本文化の魅力”を紹介する複合型文化芸術イベントです。そのプログラムの一つとして、パリ装飾美術館で開催の「ジャポニスムの150 年」展に、「光る山」が展示されます。同展では他にも、パリ装飾美術館のコレクションから現代の作品にいたるまで、工芸、ファッション、デザインとジャンルを横断した作品が展示されます。
「ジャポニスムの150 年」展
- 期間:2018 年11 月15 日(木)~ 2019 年3 月3 日(日)
- 会場:フランス・パリ装飾美術館(MAD:Musée des Arts Décoratifs)
- 主催:国際交流基金、パリ装飾美術館
- 総合監修:オリヴィエ・ガベ(装飾美術館長)
- キュレーター:ベアトリス・ケット(装飾美術館アジアコレクションキュレーター)
:川上典李子(ジャーナリスト、21_21 DESIGN SIGHT アソシエイトディレクター)
:諸山正則(工芸史家、前東京国立近代美術館主任 研究員) - アドバイザー:コシノジュンコ(デザイナー)
- https://japonismes.org/officialprograms/「ジャポニスムの150 年」展
「光る山」
素材 : 絹糸、金属糸、シャットル織機によるジャカード。
立木山と光る山(炭酸デザイン室)
立木山のいわれ
815 年( 弘仁6 年)、弘法大師が諸国を修行中、瀬田川のほとりで山に光を放つ霊木に目がとまり、奇異に思っておられるところへ、目の前に白い雄鹿が現れ、大師を背に乗せ川を飛び渡り、霊木の御前に導き観世音に変げしました。
大師は42 才の厄年であったので、自分のみならず未来永劫の人々の厄難厄病を救いたまえと心願を込めて、立木のまま霊木に聖観世音菩薩をお刻みになりました。そののち、このお寺は「立木観音」、「立木山」と呼ばれてきました。〜立木山website
1200 年の時が流れても、今も変わらない瀬田川の流れ。
時代が変わるごとに沢山の人々が山奥で守り継いできた立木観音。現住職の長子として生まれた炭酸デザイン室の井野は、立木山の山々とその周りの環境が自身のものづくりへの原点であると考え、描くことの喜び、表現の楽しさを絵に込めています。
同じく1200 年の歴史を持つ西陣織に金襴の美しい輝きと立木山の光る霊木を重ね、立木山の物語を織り込み、特別な反物「光る山」が生まれました。
「光る山」-川上典李子様より作品のお言葉を頂いております。
炭酸デザイン室が描きだす色鮮やかな森や山々。彼らがアトリエを自然に包まれた滋賀の地に移して一年、西陣織の煌めきをまとう作品が誕生した。
生き生きとした風景は、その名の通りに「光る山」となった。山が育み、山に生きる生命の存在を感じさせると同時に、どこか神秘的な魅力をも放つ作品は、その内へと私たちを誘う。ふくよかで、ふくいくとした香りすら漂わせる。
山笑う、山滴る、山装う、山ひかる。今秋、パリで開幕する展覧会で披露させていただく樹木や大地、稜線の輝き。この作品に出会う多くの人々に、豊かな情景をもたらすことだろう。
川上典李子
デザインジャーナリスト、「Japon-Japonismes 1867-2018 ジャポニスムの150年」展共同キュレーター
炭酸デザイン室
2014 年に水野智章と井野若菜の二人のテキスタイルデザイナーによって設立。自然豊かな土地にアトリエを構え、暮らしの中からインスピレーションを受け、鮮やかな記憶としてテキスタイルを生み出している。近所の山や田んぼ、村の家々、散歩道の草花や木々、川のせせらぎ、全てが太陽と月のもとでキラキラと輝く。旅先の文化、特別な経験もデザインのスパイスだ。ライフスタイル自体がものづくりのコンセプトとなり、楽しい経験はアートやデザインの枠を超え、新たな作品や商品となって日常をさらに楽しくしてくれる。
現在、オリジナルブランドTANSAN TEXTILE をはじめ、ムーンバット株式会社とのパラソルコレクション、壁紙ブランドWhO へのデザイン提供や、イギリスのバス用品メーカー「LUSH」のギフトイメージビジュアルなどを手がけている。いつもの暮らしにシュワッとした刺激を。
http://www.tansandesign.jp
西陣岡本
暮らしの中にきらりと光る一品を。
西陣岡本は1200 年以上の歴史を持つ「金襴」という宝物として扱われる絹織物を手織りできる専門職人集団です。
美しい西陣織金襴の良さを守りながら、新しいテキスタイルを世界に広げたいという思いを抱いております。西陣織のデザイナー・岡本絵麻が炭酸デザイン室と出会い、この度の作品が生まれました。
web site:https://okamotoorimono.com
instagram:https://www.instagram.com/nishijin.okamoto/