西陣織 金襴 絵箔 順引き 模様引箔 MANGA×西陣織 が織りあがるまで
2025年春、西陣岡本、岡本織物株式会社でひとつの試みが静かに始まりました。その名は「MANGA×西陣織」。特注品として磨かれてきた西陣織金襴と、大衆文化として広く親しまれてきたマンガが、絹織物の中で出会うとき、何が生まれるのか。
日本が世界に誇るポップカルチャーである漫画。その線や余白、物語の息づかいを、西陣織という織物の中に織り込むことができるのか。
格式や静謐さといったイメージを持たれる西陣織に、もうひとつの表情を添える挑戦です。
この布は、単なる素材ではありません。糸を染める人、箔を引く人、整経する人、織る人。それぞれの手が、時間をかけて交差し、重なり、ようやく一枚の織物が生まれます。岡本織物はその「織る」工程を担っていますが、全体は分業によって成り立つ西陣の仕組みの中にあります。
だからこそ、布の奥には、見えない手の連なりがあることも伝えていきたいと常々考えています。
※現在、制作中の動画もございます。完成次第、こちらにリンクを掲載予定です。
職人の手の動きや織りの工程が、映像を通してより身近に感じられるかもしれません。
このプロジェクトを進める中で、関わってくださった職人の皆さんにお話を伺いました。それぞれの工程に宿る工夫や、手の記憶。
その声を辿ることで、MANGA×西陣織がどのように形になっていったのかを、以下のリンクからご覧ください。少しずつ紐解いていけるかもしれません。
この布は、タペストリーとして出来上がっていますがサンプルでもあります。
私たちは特注を受注して織る職人です。けれど、完成形ではありません。ここから先、さまざまなアーティストやデザイナーの手によって、どんな表現が生まれるのかを見ていきたい。
その余白を残したまま、私たちはこの布を織りました。
このタペストリーは、2025年日本国際博覧会「大阪・関西万博」EXPOメッセ「WASSE」にてお披露目となります。もし会場で出会っていただけたなら、織りの奥に潜む手の記憶や、物語の気配に、ふと立ち止まっていただけるかもしれません。
2025年日本国際博覧会「大阪・関西万博」EXPO 展示概要
- 会場:2025年日本国際博覧会「大阪・関西万博」EXPOメッセ「WASSE」
- テーマ:未来航路-20XX 年を目指す中小企業の挑戦の旅- 体験型展示となります。プレスリリースはこちらから
- 期間:2025年10月3日(金曜)~10月7日(火曜)