なぜ私達はフランスへ向かったのか──西陣織と工芸の未来を探す旅
しかし現代において、国境を越えた工芸交流は以前よりも複雑で、同時に大きな可能性を秘めています。フランスの職人やデザイナーたちは、伝統を未来へつなぐためにどのような試みをしているのか。
その現場を自分の目で確かめたいと思いました。西陣織の西陣岡本と同行したメンバーは、能面師中村光江氏、桶職人の中川周二氏、型染職人の赤坂武敏氏、そして、ヴィラ九条山文化担当の小寺雅子氏、といった異なる分野の専門家が集まりました。

5人それぞれの視点が交差することで、「工芸とは何か」という問いが立体的に浮かび上がってきます。
このブログでは、旅の記録をただ並べるのではなく、
“西陣織とフランスの工芸がどのように響き合ったか”を軸に綴っていきます。
工房の静けさや、作家たちのまなざし、歴史ある建物に蓄えられた時間の重なりを、一つひとつ丁寧に辿りながら記録していきたいと思います。
この序章から、フランスでの旅の記録を少しずつお届けしていきます。
