西陣織の伝統技法として受け継がれる「引箔(本金引箔)」は、和紙・漆・本金箔を用いて織り込む希少な絹織物です。
本記事では、西陣織引箔の歴史・制作工程・裁断と力織機での織り方まで詳しく解説します。
引箔とは何か
「引箔(ひきはく)」は、和紙に漆を塗り、その上に本金や銀箔を貼り付け、細く裁断して緯糸として織り込む西陣織の特殊技法です。中国より伝来した技術を基に、西陣織において独自の進化を遂げてきました。

本金引箔とその特徴
西陣岡本では主に23金箔を用いた「本金引箔」を採用しています。
光沢のある「光箔」と、落ち着いた鈍い光を放つ「さび箔」があり、素材や表現の幅が非常に広いのが特徴です。
箔糸の製作と再利用
箔糸は織物の用途に合わせ、和紙をベースに作られます。金襴の場合は金襴幅を織るために必要なサイズの和紙を使用するなど、作品ごとに最適化された制作を行っています。
この和紙の四隅は最終的に切り捨てますが、それらは織るために必要な部分です。捨てる部分にも金箔や模様が施されているため、当社ではそれを回収し、当社オンラインストアで販売し、新しい用途につなげていただくことで新たな命を吹き込んでいます。

模様引箔・真珠粉本銀箔模様引箔
本金引箔に加えて、模様を施した「模様引箔」や、銀箔と真珠粉を組み合わせた「真珠粉本銀箔模様引箔」も当社で製織しています。特に真珠粉を用いた箔糸やオリジナルデザインの引箔を使う絹織物は西陣織ならではの挑戦的な技術です。
引箔の裁断と職人技
箔糸を作る際の裁断は、熟練の職人によって行われます。大型の機械を用いながら、紙のずれを防ぐ技巧は経験と勘が重要な役割を果たします。

力織機による引箔製織
箔糸を装置付きのシャットル力織機で織り込む際は、「順引き」と呼ばれる織り方で柄がずれないよう一本ずつ丁寧に入れていきます。織りの緊張感が仕上がりに大きく影響します。
制作過程動画
下記の動画では、「全正絹西陣織金襴真珠粉本銀箔模様引箔」がどのように仕上がるかを映像でご覧いただけます。
Instagramで見る西陣織の現場
職人たちによる実際の製織の様子は、Instagramでもご覧いただけます。
引箔の未来へ
西陣岡本では、伝統技術を守るだけでなく、「引箔」を通じた新しい取り組みも進めています。伝統工芸の継承と同時に、次世代へ向けたデザイン・素材応用の模索が今後の課題であり、挑戦です。






