本作は、京都アンプリチュードさまを通じて集英社さまよりご依頼いただき制作した、手織り西陣織金襴による特別仕様のアートピースです。
純度100%のプラチナ箔を用いた本プラチナ引箔と本プラチナ糸を、素材設計の段階から組み込み、製織しました。
構想・設計・製織・縫い取りまで、一連の工程を積み上げて完成させています。
本作では、シリーズに登場する空条承太郎のスタンド能力である「スタープラチナ」のイメージとの親和性を踏まえ、本プラチナ引箔と本プラチナ糸という素材を用いています。
いずれも現在は取り扱いが限られる素材で、制作条件そのものが作品の仕様に影響します。
「スタープラチナ」のビジュアルについては、公式サイトからご参照ください。
集英社マンガアートヘリテージ 荒木飛呂彦「ジョジョの奇妙な冒険」 リトグラフワークス 1
制作について
製織・製織データ制作は、手織りの伝統工芸士であり当社代表の岡本圭司(西陣織伝統工芸士)が担当しました。
手機による一点制作で、本プラチナ引箔・本プラチナ糸を多用した特別仕様の絹織物として仕上げています。
※本作品は、集英社監修体制のもと制作された展示用アートピースです。
手織り 西陣織金襴|JoJo’s Bizarre Adventure
展示の様子
こちらは、集英社マンガアートヘリテージさまのInstagramで紹介された、集英社マンガアートヘリテージ トーキョーギャラリーでの展示の様子です。
以下は、集英社マンガアートヘリテージさまのXにて紹介された、東本願寺白書院での展示の様子です。
当社で制作した布地は、京都の表具師による掛け軸仕立てを経て、白書院の床の間に飾られました。
この制作で実現したこと
本作の核となる素材は、純度100%のプラチナ箔から作られた本プラチナ引箔と本プラチナ糸です。
白銀の光は強く主張するのではなく、角度や距離によって静かに表情を変え、空間の中で奥行きを生み出します。
- 本プラチナ引箔:布地の全面に織り込み、意匠部分のみが浮かび上がるよう設計
- 本プラチナ糸:意匠線を手作業の「縫い取り」で加える構造
- 製織:手機による一点制作
本プラチナ引箔を全面に設計する織物は、表面の華やかさではなく、布地の内部に積み上がる密度として現れます。
本作に使用したプラチナ箔は、純度100%の本プラチナです。
以下はその純度証明書です。
引箔については以下のリンクから詳しくご覧いただけます。
見える線と、見えない全面設計
作品中で「雨」の線として視覚化されている部分には本プラチナ引箔を使用しています。
ただし、実際には布地の全面に本プラチナ引箔を織り込み、雨線だけが浮かび上がるように設計されています。
近距離では密度が見え、遠景では静かな面として落ち着く。
デザインは集英社さまからのご提供です。
空間に置いた際に過度に華美にならず、しかし確かな存在感を持つ状態を狙っていただきました。
以下3つの画像、左は表地から見て、赤い部分だけ本プラチナ引箔が見えている部分です。
真ん中はその雨の部分を取り出した図です。
右の画像の水色の部分が本プラチナ引箔が入っている図解です。
本プラチナ引箔の大半は、布の中に隠れてしまい表面には見えていません。
本プラチナ糸の縫い取り
本プラチナ糸は全面に織り込むのではなく、図案に沿って一本ずつ緯糸を入れ、その紋だけを織り込む「縫い取り」で加えています。
下記の2つの画像をご覧ください。
本プラチナ糸は左の画像のように表からは赤い部分が表に出て見えています。
本来は右の画像の水色のように縫い取られ、表からは見えない部分にも本プラチナ糸が入っています。
文字の「ふちくくり」
文字部分の内部には本プラチナ糸を使用し、その輪郭を正絹で「ふちくくり」の縫い取りをしています。
配色は、作品の世界観に合わせて9色を配置していただきました。
ふちくくりの太さについても複数のサンプルを検証し、最終的なバランスを決定しました。
左がサンプルを裏側から見た写真です。右は表側から見た写真です。
制作期間と設計打ち合わせ
本作は、素材選定・設計・試作・製織・縫い取りまで工程を積み重ね、試作と検証を重ねながら、意匠と素材の最終バランスを整えました。
岡本織物では、内装・空間用途に合わせた素材設計・意匠設計の打ち合わせが可能です。
ご希望のデザインを、織物として成立する構造へ落とし込みます。
プロジェクトについて
本作は、京都アンプリチュードさまを窓口として、集英社さまよりご依頼いただき進行したプロジェクトです。
当社はご提案されたデザイン図から、製織をするためのデータを作ること、素材と構造で支え、布地として成立させるための設計と制作を担当しました。
※本記事は制作工程の紹介を目的としています。
制作に携わって
本作は、デザインと素材、そのものの品位と、西陣織による工程の積層によって成立しています。
実物は、近距離での情報量と、遠景での落ち着きが同時に立ち上がります。
写真では伝えきれない部分こそ、織物としての価値だと感じています。
展示情報(実物をご覧いただけます)
荒木飛呂彦「ジョジョの奇妙な冒険」(東京/展示2)
期間:2026年3月3日(火)〜2026年4月19日(日)
会場:集英社マンガアートヘリテージ トーキョーギャラリー(麻布台ヒルズ)
Admission:無料
特別制作のご相談
岡本織物では、建築内装、アート展示、ブランドプロジェクトなど、空間のための織物制作を行っています。
デザインを織物として成立させるための素材選定と製織設計を担当しています。
西陣織金襴による特別制作は、内装・空間用途、および一点制作のご相談を承っております。
素材設計から意匠の落とし込み、試作を含めて進行可能です。
仕様をお伺いした上で、お見積もりいたします。
- 設計打ち合わせ:意匠・素材・照明条件・距離感を前提に検討いたします
- 制作期間:約1年
- 価格:仕様を伺った上でお見積もりします
手織りの品は通常、一般の受注は受けません。
通常の特注品は力織機(シャットル織機)によるものです。
本作は集英社さまよりご依頼いただいた展示用アートピースであり、当社社長も深い思い入れを持って制作に臨みました
















