西陣織とともに迎えた展示会2日目
西陣織の魅力が中国へ。熱気あふれる展示会場
展示会2日目。朝10時の開場と同時に、西陣織をはじめとする日本の伝統工芸を目当てに、前日にも増して多くの来場者がブースを訪れてくれました。細やかな織りの技術やデザイン、新しい用途への提案をじっと見入る人々の眼差しに、西陣織の持つ静かな力強さが伝わっていくのを感じました。会場の空気は熱気に満ち、お客様からのリアクションも次々と生まれてきます。
SNSでつながる:中国のデジタル文化を実感|WeChatや小紅書(RED)で広がる「西陣織」への関心
特に印象的だったのは、Wechatや小紅書(RED)でのアカウント交換の多さ。中国では名刺交換は全くないといってもよいです。西陣織への関心もさらに広がり、リアルとオンラインが融合する中国独自の交流スタイルを実感しました。現地の方々が写真や動画を撮り、感想を共有し、アカウントを交換する中で、「伝統の再発見」がリアルな温度で感じられる瞬間が何度もありました。
以下は弊社の小紅書(RED)のアカウントです。ぜひ、フォローしてみてください。

取材の嵐:メディアとインフルエンサーたちからの注目
午前中から次々とメディアの方々やインフルエンサーが訪れ、作品への思いや制作背景を丁寧に言葉にして伝える時間が続きました。どのような想いで西陣織の制作が続けられてきたのか、またそれを現代の暮らしにどう取り入れていけるか。言葉を紡ぐたびに、自分の中の考えが整理されていきますし、文化が違う国の人にどうやったら解っていただけるのかを考えるとても良い機会になり、文化の橋渡しのような役割を果たせているようにも思います。
こちらはインフルエンサー、是Judy呀さんの小红书です。小紅書(RED):5489573233
前两天我去了趟「设计上海」,在日本馆里发现了非常多源自中国的非遗技艺:螺钿工艺、金箔工艺、造纸技艺……为什么日本匠人的技艺传承能做这么好?不仅能商品化,还能品牌化?这期节目就是和他们深度交流后的感悟。
「数日前、『デザイン上海』を訪れ、日本館で非常に多くの中国発祥の無形文化遺産の技術に出会いました。たとえば、螺鈿(らでん)技法、金箔技術、紙すき技術……。なぜ日本の職人たちは、これらの技術をこれほどまでに上手く継承し、さらに商品化やブランド化まで実現できているのでしょうか?今回の番組では、彼らとの深い対話を通して得た気づきや感想をお届けします。」
「FRAME」主催の特別な夜
展示会終了後は、上海市内の中心部へ移動し、国際的な空間デザイン誌『FRAME』主催のパーティーに出席しました。開催場所は、アンティーク家具店を改装した趣ある会場。中国の骨董を中心とし、日本の工芸も飾られていてとても嬉しい空間でした。年も生まれた場所も違う工芸同士がデザインの対話をしているようでした。

私たちが履いている不織布の簡易スリッパ。これは中国ではよくある事で、日本と違って土足文化の中国では建物の中に入るときにこの簡易スリッパを靴の上から履くことが多いです。これ、日本でも便利だと思います。弊社の場合、畳なのですが、外国のお客様が靴を脱がずに上がってこられることが多いので、これを用意しておけば便利かなと思いました。
言葉を超えてデザインが共通言語になる瞬間
会場では、英語・中国語・日本語が交差しながら、参加者同士が自然と交流を深めていきます。作品の話から文化背景、これからの展望まで、さまざまな対話が自然と生まれました。国境を越えて共感できる“ものづくり”の魅力をあらためて実感した夜となりました。

一日の終わりに振り返りを
夜遅く、展示メンバーでホテルへ戻り、軽く食事をとってからそれぞれの部屋へ。濃密だった一日を思い返しながら、今日出会った人々と交わした言葉、交わした笑顔に心から感謝し、私が30年携わってきている西陣織がつないでくれたひとときに、感謝する気持ちで眠りにつきました。
次回はデザイン上海3日目のレポートです。