西陣織の音に育まれて|岡本織物 京丹後協力工場・布平
織物とは、経糸(たていと)と緯糸(よこいと)を直角に交差させて布地をつくる技法です。
織物は、西陣織のような紋織物の基礎となる構造技法です。
私たちは日々、機に向かい、経糸の張り具合や緯糸の通り方を感じながら布を織っています。織物は、糸が交差する「構造」そのものが布地になります。下図では、白が「経糸が表に出る」部分、黒が「緯糸が表に出る」部分を示しています。

経糸と緯糸を交互に浮き沈みさせて織る、最も単純な織物組織。丈夫で摩擦に強い組織です。

綾織または斜文織(しゃもんおり)と呼ばれ、緯糸が2本もしくは3本の経糸の下を通過した後、1本の経糸の上を通過することを繰り返して織られる組織です。西陣では「錦」とも呼ばれます。

経糸・緯糸五本以上から構成され、どちらか一方の糸の浮きが多い織り方です。経糸または緯糸のみが表に現れているように見えます。糸密度が高く、光沢が強い布地になります。繻子とも呼ばれます。

織物の大きな特徴は、糸の交差のさせ方(組織)を設計することで、紋様や立体感を生み出せることです。
西陣織は、この組織設計によって紋様を表現する紋織物に分類されます。紋様は後から描くのではなく、糸の設計段階で織り込まれます。かつては空引機によって紋様を織り出していましたが、現在はジャカード機により、より具体的で複雑な紋様を表現できるようになりました。
西陣織は先染めの織物です。糸を染めてから織るため、色と構造が一体となって布地が成立します。
以下の画像は、2枚の布地の柄がつながるように設計して製織をしたMANGA×西陣織金襴引箔「ひゅらん。」です。これは、地組織を「綾織(錦)」、その上にジャカードによる紋織りを入れています。

西陣織についての基礎は、西陣織とはのページで詳しく解説しています。
西陣織は、織物の中でも先染めの紋織物に属します。
平織・綾織・朱子織といった基礎組織は、さまざまな布地へと展開します。
経緯糸の糸を浮かせて織る組織。生地表面に凸凹を作って四角形を浮かび上がらせた織り方。生地が肌に密着せず、重厚さがありながら柔軟で吸水性にも優れています。
緯糸を織り込む際に、経糸の一部を緩めて布地にループ状の部分を形成し、保温性、保湿性、吸水性を高めたもの。平織か綾織で編地の片面または両面から繊維を出すように織り出した織物の総称。添毛織り(てんもうおり)とも言う。織った後の処理により2種類に分類されます。パイルをループのままにしたものをループパイル(輪奈)、ループをカットしたものをカットパイル(切毛)という。下記は今治の渡辺パイル織物さんのタオルです。
経糸パイルの比較的毛足の長いパイル織物の一種。平織または綾織の2枚の織物を経糸によってパイル糸とともに織り込み、それを2枚に切り分けて製造される。高密度に繊維が揃い繊維の末端周辺に特有の肌触りを持つ。英語でベルベット、ポルトガル語でビロード、フランス語でベロア、和名で天鵞絨(てんがじゅう)と呼ばれます。
緯糸パイルの比較的毛足の短いパイル織物の一種のこと。綿ビロードとも呼ばれます。添毛素材の一種です。

これらはすべて、平織・綾織・朱子織という基礎組織の応用から生まれています。
西陣織は、先染めの紋織物です。
経糸と緯糸の組織設計によって紋様を表現します。
織物は、人類の歴史とともに発展してきた技術です。古代より、植物繊維や動物繊維を撚り、糸にし、交差させることで布がつくられてきました。
日本では、弥生時代にはすでに機織りの痕跡が確認されており、時代とともに組織や装飾技法が発展してきました。
技術は時代とともに進化してきましたが、経糸と緯糸を交差させるという原理は変わっていません。
織物は経糸と緯糸の交差によって成立します。編み物はループ構造、染物は色彩による表現です。布が成立する構造そのものが異なります。
衣服、寝具、産業資材、建築装飾など、織物は生活と産業のあらゆる分野に用いられています。もちろん染物の素材となるのも織物です。構造設計が可能であることから、強度や質感、光沢などを用途に応じて設計できます。
A. 経糸と緯糸を交差させて布をつくる技法です。
A. 織物は交差構造、編み物はループ構造で成立します。
A. 三原組織を基礎として、多様な応用組織や装飾技法が発展してきました。
A. 布を構成する技術としては織物が基礎にあり、染色はその布を装飾・機能付加する技術として発展してきました。