こんにちは。
京都府が誇る伝統工芸、西陣織で口に糊をしています金襴織屋の岡本織物です。
伝統工芸西陣織。耳にしたことのある方も多いことでしょう。
私は金襴織屋として「どのような所で金襴が使われているのだろうか?」という疑問を胸に「市井で使われている金襴地」を探して歩いています。
今日の「市井の金襴発見」ブログは堀川五条の交差点南東角の南無大悲願王の祠。「南無大悲願王」・・・?南無は南無阿弥陀仏の南無。大悲願王・・。大悲願王は阿弥陀様を指す言葉。「大慈大悲」とは人知を超えたはかる事のできない慈悲の事。
阿弥陀様は悟ってないので「民衆、具衆を救わねば!」と思ってはります。どんな人でも救わずにいれない深く大きな慈悲を持ってはります。極楽浄土を建立し、衆生を救う仏の事を「大悲願王阿弥陀仏」と言うので、ほんまはこの「南無大悲願王」の後に「阿弥陀仏」をつけるのが正解なのでしょう。
そんな偉大なお方が祭られているのを気づいてはるの~~!と叫びたくなります。車で通り過ぎる皆様!!
南無大悲願王さんの銘があるのはこちら。朱地の菱地紋梅花散らし紋。観音様のはずですが、地蔵菩薩っぽい。
下の祠には地蔵尊。
3色の真綿をかぶってはります。お顔も優しげで素敵だわ。御べべの金襴は赤地の菊散らし紋。ん?菊と梅花散らしで2体とも同じ金襴地を着てはりますね。
戸帳は鶴菱。鶴が2匹対面している菱型です。
堀川五条は人通りも多いですが車がほとんどなので小さなお地蔵さんに気がつく人は少ないでしょう。どうぞお見かけの際はお手を合わせください。
今日の西陣の金襴織屋の賄いは、鯵の干物を焼いたん、オクラの黒胡麻和え、だけの予定でしたが、西賀茂のおっちゃんが「きごしょう」を持ってきてくれたので急遽きごしょうのおかか和えも作りました。
きごしょうは万願寺とか伏見唐辛子を茎から切って根と茎以外を食べるんです。花も実も葉っぱも。ほろ苦くて私は好きです。