こんにちは。
京都の西陣で金襴と言う布地を織っています岡本織物株式会社です。
清水にあらはります「岡本織物店」さんとよう間違われますが、違うお店でございます。清水の岡本織物店さんはお土産などの主に織物を使って作った小物類を売ってはったり、レンタル着物を貸し出すご商売をなさっています。着物や織物の敷居を下げてくださっているのが岡本織物店さん。
弊社は西陣に工場(こうば)を構え店舗を持っておりません。西陣の岡本織物株式会社でございます。
どうぞ、二軒ともよろしくお願いいたします。
今日の織屋のブログは「石峰寺」。こちらは、伊藤若冲氏が生前より関わっていて今も菩提所となっているお寺です。若冲は素晴らしいですね。あの躍動感溢れる筆。ほんまに素晴らしい。現代でもあの雰囲気をrespectした作品を見かけますが、やはりご本人には敵いません。
伊藤若冲氏は1716年生まれ。錦の青物屋の裕福な息子として育ちます。その彼が今はこちら、石峰寺にお眠りになられておられます。
石峰寺の宗旨は黄檗宗(おうばくしゅう)。山号は百丈山(ひゃくじょうざん)。本尊の薬師如来像は慶長元年(1596年)に土の中から発見され、五条橋東近辺の祠に祀られていたのですが正徳3年に千呆和尚(せんがいおしょう)が今の伏見深草の地に移されたそう。
現在の本堂は昭和60年建立。
しかし・・・伏見は坂の町。石峰寺もかなりの坂の上にあるお寺です。
ああ、でも中華風の丹の門が紅葉によう合います。
紅葉の美しい季節でした。
この道を右に折れますと伊藤若冲のお墓。手を合わせてまいりました。筆者は、若冲の絵が大好きです。
この若冲さんのお墓への道を曲がらずに上がっていきますと若冲さんがプロデュースしはった五百羅漢像があるのです。しかし、そちらは撮影禁止。と思っていましたら、あら、首は折れてしまっているけれど良い感じの石像がぼちぼちと・・・。
あら、こちらも可愛いお顔。
なんて大胆な仏像かしら・・・と思っていたらひょっとしたらこちらはすでに五百羅漢の一部だったのかもしれません。
と、しばし五百羅漢の様々なお顔を拝見しながら秋の一日を楽しませて頂きました。心が落ち着きます。
こちらが昭和60年に建てられた本堂です。
石峰寺。石峯寺と書いてあります。
こちらは薬師如来なのかしら?左手に薬瓶を持ってあらへん。それに木造です。ご本尊は違う所に居はるのかもしれません。
東南アジアの雰囲気が漂う如来像です。半透明でぬめっとしている感じがいいです。如来の左側に見えるキラリとしたものは金襴の戸帳です。金襴発見。
遠くて暗くてよう見えなかったのですが、緑地に蜀甲紋。
薄暗がりの中の金襴地は美しいのです。暗闇こそ金襴を引き立てるアイテムです。
このような感じです。
五百羅漢は撮影禁止なのでご覧いただけず、残念ですが、実際にお寄りくださって静寂の中、五百羅漢と対面なさってください。その素朴さと大胆さを併せ持った表現が面白うございました。
MTRL KYOTOさんで12月23日に行われます”「Fab Meetup Kyoto Vol.1」~「つくる」をテーマにした、ネットワーキング&プレゼンテーションイベント”に西陣連合青年会から、金襴の中村織物店 中村亨氏、弊社、岡本織物株式会社からこのブログを書かせていただいております岡本絵麻が出させて頂きます。西陣織などについてちょっと話そうと思っておりますので是非、お気軽に遊びにいらしてください。
プレゼンテーターはMTRL KYOTOの設計を担った建築家の佐野文彦さん、西陣織金襴職人の上記の二人、京都大学宇宙物理学准教授の榎戸輝揚さんの3組だそうで、これからプレゼンターが増える事もあるそうです。ちょっとだけお付き合いさせてもらっておりますが柔軟な会社だなあと実感します。若い息吹を感じます。
今日の織屋の賄いはきのこご飯、三平汁でした。
三平は鮭を焼いてから入れると香ばしさが上がります。