西陣でも希少な技術「引箔」でMANGA表現を
西陣岡本では長年、神社仏閣を荘厳するための絹織物を、淡々と着実に織ってきました。けれど、織機の音に耳を澄ませているうちに、私たちは思ったのです。この西陣織という技術には、まだ語られていない物語がある、と。
殻を破り、自ら語りだすような西陣織を生み出したい。新しいデザインの西陣織を発表したいと弊社のメンバーたちは考え続けていました。
MANGA×西陣織金襴絵箔順引き模様引箔 ひゅらん。
京都西陣は織物の町です。その西陣の中でも希少な技術である引箔を使い若手のマンガクリエイターユニットの「ぐらにゅーとー」とコラボレーション、「ひゅらん。」という作品を製織し、タペストリーを仕立てました。

なぜ西陣織絵箔引箔でMANGAを織ろうと思ったのか
弊社社長とテキスタイルデザイナーは子供の頃から漫画を愛読してきました。平面の中に表現されるそのコマワリ、余白などデザインの素晴らしさ、スローモーションにもスピーディーにもできる面白さ。時間の流れすら操るような面白さが漫画表現では可能です。
絵箔引箔で1レイヤー目、地紋を入れることで2レイヤー目、それに重なる絹の緯糸によるデザインで3レイヤー目と1枚の布地の中に奥行きのある表現が可能になります。
それを西陣が誇る「引箔」でなら実現できると信じ、進みました。
ひゅらん。の物語
長髪の「あやめ」とメガネの「めぐ」が、なんともない日々の中でふと夢のような世界に迷い込み、見たことがない草花に囲まれながら、大きな光「ひゅらん」を追いかけていく——その先で、ふたりはまた出会える。
「ひゅらん。」は、見る織物ではなく、視線が触れた瞬間、記憶がざわつくような。絹と引箔で描かれた「物語の断片」を織り表したかったのです。これは、誰かの夢の続きを織るような試みでした。
私たちは、これからも西陣織を織っていきます。京都で伝えられてきた西陣織の技術の重みを、新しい物語の軽やかさで包みながら。
西陣は、これから生まれていく物語を、これからも織っていくことを信じて。
ひゅらん。の発表
ぐらにゅーとーによるデザイン、西陣岡本による「西陣織 金襴 絵箔 順引き 模様引箔 MANGA×西陣織 ひゅらん。」は2025年日本国際博覧会「大阪・関西万博」EXPOメッセ「WASSE」で発表、展示をいたします。
2025年日本国際博覧会「大阪・関西万博」EXPO 展示概要
- 会場:2025年日本国際博覧会「大阪・関西万博」EXPOメッセ「WASSE」
- テーマ:未来航路-20XX 年を目指す中小企業の挑戦の旅- 体験型展示となります。プレスリリースはこちらから
- 期間:2025年10月3日(金曜)~10月7日(火曜)