西陣岡本について
西陣織「金襴」ひとすじに
1909年、当代の曽祖父によって創業された西陣岡本。以来、4世代100年以上にわたり、全国の神社仏閣に鮮やかな色彩と金糸の煌めきで極楽浄土を表現した金襴の織物をおさめてきました。手織・力織機により絹特有の艶、むっくりとした質感を大切に織り上げる西陣岡本ならではの金襴は、各方面から高い評価を得ています。
そして現在も、時代とともに変貌する社会の中で未来を見据え、「暮らしの中できらりと光り、彩る一品をお届けしていく」「千年以上続く『金襴』の技術を発展させ、継承する」「さらにラグジュアリーな絹織物を求め続ける」という3つの使命を掲げ、活動しています。
京都・西陣で
金襴の伝統を守り継ぐ
西陣岡本では求められる製品に応じて手織機と力織機を使い分け、熟練の技法を駆使して絹の色艶、金銀の煌めきを際立てる絹織物を織り上げます。
・手織機は一越一越、手で筬(おさ)を打つため細かなゆらぎが生じ、独特の味わいになります。1日30cm程度しか織れない贅沢な織物です。
・力織機は機械の円運動によって織っていくため、早く均一に仕上げることができます。それでも1日に織れるのは品物により1〜10m程度です。
いずれも西陣岡本ではシャットル(杼)を使う昔ながらの織機を使用することで、独自の「むっくり」とした質感を生み出します。
西陣織は、細かな分業制によって成り立っています。
西陣岡本も、各工程を受け持つ職人たちと密に連携をとりながら、
より質の高い織物を提供すべく、日々織機に向かっています。
伝統の織技を受け継ぎ「伝統工芸士」の資格を得る手織り職人はもちろん、
西陣織を愛し業務に携わる職人一人ひとりが私たちに欠かせない存在です。
岡本やからできる、
そう信じて任せてもらえるのが嬉しいです
岡本忠雄
(2代目社長)西陣織手織り元伝統工芸士
1942年生まれ。社長・圭司の父。岡本家の長男として岡本織物株式会社をけん引してきた。2011年西陣織に対する貢献により瑞宝単光章を受賞。元伝統工芸士。
工夫しながら織り上げ、
最後にバチっと柄が合うとすっとします
岡本光雄
(会長)西陣織手織り伝統工芸士
忠雄の弟(6人兄弟の4番目)として1947年に生まれる。その緻密な技術は、厚い信頼と評価を得る。2014年西陣織に対する貢献で伝統産業技術功労者、2023年瑞宝単光章を受章。
これからの西陣を拓く、
新しい金襴のかたちを模索しています
岡本圭司
(代表取締役社長)西陣織手織り伝統工芸士
忠雄の長男として1972年に生まれる。東京の美術大学を卒業後、パートナーとなった絵麻(現専務)とともに家業へ。
別業種から職人へ。最初の心得は
『糸に舐められない』ということでした
岡本景太
(副社長)西陣織手織り職人
光雄の次男として1976年に生まれる。光雄の息子。西陣岡本の織り手の中で1番の若手とはいえ経験は18年以上。丹後工場の進行管理も務める。