同志社大学 グローバルコミュニケーション学部

同志社大学 グローバルコミュニケーション学部「Musubi」展示会のお知らせ

2022年初夏、同志社大学 グローバルコミュニケーション学部の学生さんからご連絡をいただきました。

セミナープロジェクトという授業において、京都の伝統工芸を広める取り組みを行っております。
その授業において先日、京都伝統産業ミュージアム様より講義をしていただきました。
その後、グループで話し合い、私たちは西陣織に注目して調査を進めたいと決定いたしました。
そして、京都伝統産業ミュージアム様にその旨をお伝えし、現代に寄り添った西陣織の商品を扱っている方をお尋ねしたところ、岡本織物様をご紹介いただきました。
ぜひ一度、岡本織物様にインタビューさせていただき、どのような想いで西陣織を世に発信しているのかなどお聞きできないかと思います。

弊社ではこのような申し出はお受けするようにしています。今まで数々の学生さんのお申し出をお受けしてきましたが、千差万別。色々な事がありました。担当教授に苦情を伝えたこともあります。今回の同志社の学生さんたちはとても礼儀正しく、熱心に取り組まれているのが理解でき、こちらもできる限り協力をしたいと思いました。

丁寧なメールのやり取り、インタビューもしっかりしてくださり、私たちも自分を再発見したような気持ちです。

彼らが、この冬、各工房からの調査結果とともに、製品などを集めた展示会をされます。

「暮らしに新しい提案を」

「暮らしに新しい提案を」をコンセプトとし、日常に取り入れられる京都の伝統工芸品を衣・食・住のカテゴリーに分けて展示し、作品の展示だけではなく、普段見ることのできない職人さんの工房などをiPadやスマートフォンを使って3Dで見学することができます。

  • 日程:2022年12月11日  11時~17時
  • 会場名:ギャラリー泉 https://sen-gallery.jp/
  • 住所:京都府京都市下京区木屋町通松原上る2丁目和泉屋町164番地
  • 入場料:無料

展示予定の伝統工芸

たった一日限りの展示会。ぜひ、ご覧ください。

同志社大学 グローバルコミュニケーション学部 「暮らしに新しい提案を」
同志社大学 グローバルコミュニケーション学部
「暮らしに新しい提案を」
同志社大学 グローバルコミュニケーション学部 「暮らしに新しい提案を」
同志社大学 グローバルコミュニケーション学部
「暮らしに新しい提案を」

@musubi_doshishaというInstagramアカウントで研究概要を発表されています。

https://www.instagram.com/musubi_doshisha/

同志社大学 グローバルコミュニケーション学部「暮らしに新しい提案を」
同志社大学 グローバルコミュニケーション学部
「暮らしに新しい提案を」

こちらのInstagramページの中で弊社へのインタビューが公開されているので共有いたします。

衣チームが今回紹介するのは「暮らしの中にきらりと光る一品を」をコンセプトに活躍されている<西陣岡本>さんです。
<西陣岡本>さんが生み出す商品は西陣織でできていますが、私たちが持つ「西陣織=特別な日のための高級なもの」といったイメージとは少し違います。和装だけではなく洋装にもよく合いそうなバッグや、どこか遊び心のあるネクタイ、シンプルなコーデを引き立ててくれそうな華やかなイヤリングなど、まさに「暮らしの中にきらりと光る一品」を象徴しています。

今回は、代表として岡本絵麻さんが伝統工芸品に携わるようになったきっかけについて尋ねてみました。

Q. この職業に就くことになったきっかけはなんですか?

A. 私個人のきっかけとしては、大学時代に付き合った男性の実家だったという事です。もともと染織の勉強をしていたので面白いかなと思って、そのまま飛び込みました。

Q. 染色の勉強はどういう経緯でされていたのですか?

A. 私の母がウール系の繊維の仕事をしていました。ニュージーランドやオーストラリア、イギリス等から原毛を輸入して「紡・織・編み」等をしていたので、子供の時から山野に植物染料を取りに行ったり、繊維に触れてきました。母は今では札幌でファイバーアーティストとして外国にも招聘されるようになったのですが、私はその仕事を垣間見ていたことで子供の頃から繊維が好きでした。編み物したり、縫い物をしたりしていました。大学でも染織を勉強したいと思い、東京造形大学でテキスタイルを専攻しました。夫は友人の同級生で武蔵美で油絵を描いていました。

Q. 商品を作る上でのこだわりは何ですか?


A. 高級品の質を落とさないようにしています。大量生産された繊維製品はふんわりとした質感がないんです。弊社の力織機(シャットル織機)で織った物は、ふっくらした低いテンションで織られています。手機(てばた)はなおさら、人の手が入りますので、ゆらぎというか人の温もりを感じられる。なおかつ、糸も最高級の物を使っているので、艶などもより高まります。そのような上等なものを求めて織っています。そういった質感を弊社では「むっくり」と表現しています。

Q. どのような時にやりがいを感じますか?


A. 弊社はずっと神社仏閣の仕事をしていました。しかし、納品先はどこの織屋が納めたのか等はご存じありません。普通の繊維製品も一々どこの工場で製織されたのかわかりませんよね? お客さんから直接「綺麗だね」「よかったよ」と言われた事はありませんでした。しかし、お客様に直接販売をするBtoCを始めてからレビューを頂けるようになりました。とても嬉しくて、社内でも共有して、励みにしています。今までは企業間取引BtoBしかした事がなかったので、お客様から頂ける反応にはとてもテンションが上がります。

Q. これまでに苦労したことや、現在ぶつかっている壁はありますか?

A. 今考えてみると、苦労した事もその時々で色々ありましたが、仕事に関して苦労はあまり覚えていません。仕事は楽しい事の方が多いです。しかし、 古い世界ですので、新しい事は受け入れられづらいという事は非常に感じています。新しい事に対する抵抗感は今でもありますが、やらないと進んで行きません。⻄陣の中での業者間の付き合いは社⻑である夫が行なっているのですが、社⻑が色々しんどい思いをしたのかなと思います。始めた時は⻄陣もここまで景気は悪くはなかったので「なんでそんなややこしい事をするんだ」「今のままでもいいじゃないか」という抵抗がありました。今は新規販路開拓を開始していて良かったなと実感しています。

Q. 新しい事を受け入れるのに抵抗がある業界で具体的にどんな新しい事を始められたのですか?

A. 弊社は神社仏閣用の絹地を織る仕事をしていますので、古くからの流通経路が決まっています。そこは既存の仕事を続けていくためにも崩してはいけないので、神社仏閣関係の仕事には手を出さない。アパレルやインテリアへの絹地の納品を目指しました。

Q. 職人さんからの反発はありましたか?


A. 反発がなかったといえば嘘になります。みんな、弊社は神社仏閣用の絹地しか織れないと思っていたので、その意識を変えなければいけないと思いました。ゼロから新しいデザインを作り、販路も作っていく事は今でも大変です。数年やっていると、既存の仕事を崩したいわけではないと理解してもらえるようになり、風当たりもましになりました。コツコツと実施しているとメディアにも取り上げられるようになります。他者から評価をして頂けるようになると、販路開拓に対する内部からの評価が変わってきました。あと、新しい事をするのは面白いです。新製品が生まれると自分たちの仕事の新しい可能性を知る事になるので、とても喜んでもらえます。

関連記事