西陣呼称555年記念事業
「西陣」という教科書にも載っている織物の産地が産まれてから555年という事で西陣界を上げてお祭りが開催されます。
11月11日~15日は「西陣CROSS Week 2022」へ
令和4年(2022年)は、「西陣」の名称の起源とされる応仁の乱(1467年)から起算してちょうど555年目。
11月11日の「西陣の日」から、11月15日の「きものの日」までの5日間、「西陣・西陣織」の「過去」「現在」「未来」をテーマに多くの人々が交差する、「西陣 CROSS Week」が次のとおり開催されます。
ぜひ、西陣界隈に遊びにいらしてください。
日時
令和4年11月11日(金曜日)~11月15日(火曜日)
場所
西陣織会館(上京区堀川通今出川南入)
その他、西陣地域を散策する催し等も開催予定。弊社も一部参加いたします。
主な内容
以下の催しは、全て「入場無料」「申込不要」です。
西陣貼交屏風(はりまぜびょうぶ)展(期間中全日・西陣織会館5階)
西陣では古来より、織物を屏風に貼り合わせ、記念のしるしとして、また記録として遺しておく習わしがありました。その「貼交屏風」の組織、色彩、意匠などから、制作当時の西陣織の技術・技法や、流行の変遷などを知ることができます。今回は、555年を記念して制作する新たな貼交屏風とともにお披露目します。
空引機(そらびきばた)の再現・実演(期間中全日・西陣織会館1階)
平安の昔から、明治時代に「ジャカード機」が輸入されるまで、西陣織製造に使われていた織物機械である「空引機」。
「空引機」は人が織機の上に上がり、経糸を操作する事で織物の柄を出す織機です。
今回展示する「空引機」は、55年前に西陣織工業組合が当時の資料等を元に完全復元したものを13年振りに組み立て、実演も行います。
弊社の社長・岡本圭司も組み立てに参加、実演もいたします。
実演:11月11日(金)~15日(火) 11:00~、14:00~、15:30~
西陣555年記念特別きものショー
60年以上の歴史がある「西陣きものショー」を約3年ぶりに開催。今回は西陣の「過去」「現在」「未来」をテーマに特別きものショーを2日間限りで上演します。
OSK日本歌劇団の舞美りらさんや、2022京都・ミスきものも特別出演していただきます。
日時
11月11日(金曜日)・12日(土曜日)午前10時30分~/午後1時30分~/午後3時~
場所
西陣織会館3階
西陣金襴展(期間中全日・西陣織会館4階)
主に宗教関係の装飾や装束、掛け軸、人形衣裳などに幅広く使用されている金襴は、その名のとおり、金箔や金銀糸を用いて紋様が浮き出るように織られた、きらびやかさが特徴の織物です。今回は、その金襴の代表的な逸品を展示します。
西陣織呼称555年記念展Ⅱ「所蔵の逸品ー『綾錦』を中心にー」
日時
9月6日(火曜日)~12月20日(日曜日)
場所
西陣織会館3階 西陣織史料室
西陣designグランプリ
西陣織の魅力をさらに深め、産業と文化の融合による「新しい西陣織の価値の創造」を図るべく、西陣織をテーマとした斬新なデザイン・アート作品を幅広く募集しています。「西陣 CROSS Week」期間中、応募作品を西陣織会館で展示し、来館者に投票していただくとともに、最終日には優秀作品の表彰を行います。
日時
11月1日(火曜日)~13日(日曜日)午前10時~午後4時:応募作品の展示及び一般投票
11月15日(火曜日)午後5時~ :表彰式
場所
応募作品の展示及び一般投票:西陣織会館1階
表彰式:西陣織会館6階
西陣GoGoマルシェ
西陣地域の魅力あふれる飲食店等が、1日限定で、西陣織会館に集結し、「西陣 CROSS Week」を盛り上げてくれます。
日時
11月13日(日曜日)午前10時~午後4時
場所
西陣織会館屋外(1階の駐車場スペース)
西陣BAR(バル)inきものの日
「西陣 CROSS Week」のフィナーレは、みんなできものを着て「日本酒で乾杯」!2023年1月に制定10周年の節目を迎える京都発祥の「日本酒乾杯条例」を多くの方々と盛り上げるべく、西陣地域から「日本酒で乾杯」の機運を高めます。
西陣地域を支える織文化と食文化を楽しみながら、「更なる未来へGoGoGo」をコンセプトに、西陣・西陣織をテーマに挑戦を続ける若い力や、西陣をこれまでも、これからも支える織元たちとの交流会です。
日時
11月15日(火曜日)午後6時~午後9時
場所
西陣織会館6階
西陣関連工程職人による技の実演
日時
11月11日(金曜日)~15日(火曜日)
場所
西陣織会館2階
きもので散策
日時
11月11日(金曜日)~15日(火曜日)
場所
西陣界隈
その他、「西陣 CROSS Week」期間中、西陣織会館では、西陣織製造を支える関連工程の職人による実演や、3階の史料室において所蔵の逸品展示を行うとともに、きもの姿で西陣地域を楽しんでいただけるよう制作した「西陣CROSS map」の 配布など、多彩な催しを実施予定です。
西陣の歴史
西陣織の起源は古く平安朝創設以前にまでさかのぼることが出来ますが、今から555年前、国を二分する応仁の乱が京都で起こりました。東軍と西軍に分かれて行われたこの戦は11年間にも及びました。
この戦乱で、朝廷の織物を司っていた職人たちは、堺や山口などに難を逃れました。戦乱後、職人たちは、山名宗全が率いた西軍の本陣跡一帯にもどり、織物を盛んに織り出しました。「西陣」という名称はここから起こりました。
以降、西陣織はその時々の為政者の庇護もあって大きく発展し、華やかな桃山文化や元禄文化の開花にも、西陣織は重要な役割を果たしてきました。
明治を迎えると、東京遷都により西陣をはじめ京都の産業は急激に衰退しました。
そこで明治5年、京都府は西陣から3人の留学生をヨーロッパに派遣、ジャカードをはじめとする近代織物技術を導入し、精緻な高級織物の量産を可能としました。
それ以降、西陣織はわが国高級織物の代名詞としてその地位を確かなものとしてきました。
近年、西陣業界をとりまく状況は大きく変わりつつありますが、高度な技と洗練された意匠に培われた西陣織は、これからも私たちの生活に豊かさと潤いを届け続けます。
西陣織の特徴
西陣織の最大の特徴は、糸の状態で染めてその糸を使って文様を織り出す「先染紋織物」であるということです。
色とりどりの糸が機にかけられ、見事な織物となるには多段階に及ぶ複雑な「分業工程」を経なければなりません。
まず、
- デザインや色、織組織を決めて紋紙をつくる(企画製紋工程)
- 必要な経糸と緯糸を準備する(原料準備工程)
- 織機、ジャカード、綜続、筏、抒などを用意する(機準備工程)
- 織り進める(製織工程)
- 織物を整える(仕上げ工程)となり、これら5段階、15~20の工程を経て誕生します。
昭和51年、西陣織は国の「伝統的工芸品」に指定されました。
その指定品日は、綴れ(つづれ)、経錦(たてにしき)、緯錦(ぬきにしき)、緞子(どんす)、朱珍(締珍(しゅちん))、紹巴(しょうは)、風通(ふうつう)、捩り織(もじりおり)、本しぼ織(ほんしぼおり)、天鵞絨(びろーど)、絣織(かすりおり)、紬(つむぎ)の12種です。
また、その用途はきわめて多様で、帯やきもの、能装東や有職織物など和装品、ネクタイやショール、緞帳、インテリア織物などがあり、いずれも多品種で少量生産となっています。