こんにちは。
西陣の金襴織屋、岡本織物でございます。毎日金襴を織っています。
金襴織屋なので、市井で使われている金襴を取材したくて始めた「金襴探しブログ」です。しかし、金襴は特別な時の用の布地としての立ち居地な為、中々金襴に出会えません。お寺での法要の時などええ金襴に出会えるのですが、そういう時は撮影禁止だったり・・・。
と言う事で、拝見しだした道々のお地蔵さん。これが非常に面白いんです。時々おべべや戸帳として金襴地が使われている事もありますし、個性的だったり歴史を感じたりして興味深く拝見しています。
連日、奈良のお地蔵さん、遺跡史跡について書いていましたが、今日も奈良県でございます。同日にこれだけ見まくっているわけではなくて別の日です。
京都から奈良に行くには近鉄線が一番便利。西陣から行くのでしたら、鞍馬口か、今出川から地下鉄に乗ると、近鉄に乗り入れている便がありまして、一本で奈良に到着。奈良へ行く途中に「大和西大寺駅」という駅で降ります。近鉄奈良線と近鉄京都線・橿原線が交差する現在の交通の要所です。
「大和西大寺駅」の駅はすごいです。最近はどこの駅でも「エキナカ」の充実を目指していますが、「大和西大寺駅」のエキナカ「Time’s Place Saidaiji」は、鉄道を真上から見ることの出来る展望台もあり、食事所、居酒屋、八百屋、スーパー、ドラッグストア等々、その充実っぷりといったらびっくりです。「あの居酒屋に行こうと思ったら入場券が必要なの?」と思った居酒屋に長蛇の列だったり。びっくりしました。
その「大和西大寺駅」には有名な「西大寺」という真言律宗総本山のお寺があります。
西大寺はご本尊を釈迦如来とする奈良時代には南都七大寺の1つとして壮大な伽藍がありましたが、平安時代に衰退、鎌倉時代に叡尊(えいそん=殺生禁断・慈善救済を伝え、非人・癩病者から天皇家まで貴賎を問わず帰依を受けたすごいお方でお父上も興福寺の学僧)によって復興相成ったと言うお寺。
そのお寺を通り過ぎたんです。所用ありまして。時間の関係で西大寺には入れませんでした。春の大茶盛式の看板が立っています。行きたい!西大寺のお茶会は有名なんです。
鎌倉に西大寺の復興をなした叡尊上人が八幡神社に献茶したあまりを民衆に振る舞った事に由来するそうです。「戒律」を大事にした叡尊上人が不飲酒戒(酒を戒めて飲まず)の為に酒を飲む代わりに茶を飲もうとし、当時は高価な薬とされていた茶(お茶は当時は抹茶だったようです)を民衆に施すという、八百年近く続けられてきた宗教的茶会だそうです。
アルコールやカフェインに耐性のない頃の人々はお茶のカフェインでも効いたようです。
あの巨大抹茶碗で頂いてみたいわ・・・。そういえば茶筅はどのようなものを使ってはるのでしょうか。こうなったら30人以上の団体でお好みの日に申し込むか春・秋の大茶盛式に寄せてもらうかですね。
その西大寺の角(後ろに見える石塀は西大寺の塀)でございます。位置的には下の画像の水色の星マーク。クリックで大きな画像になります。
今日のお地蔵さんは「金襴」を身にまとってはります。
箔入り無地ですね。ひょっとしたらラメ糸かもしれません。
五輪塔とまではいかない石碑が立っていました。歴史街道。こちらの角を右に行けば秋篠寺、左に行けば西大寺の正門。
今日の西陣の織屋の賄いは、色々なさつま揚げ、突きこんにゃくと人参のきんぴら、でございました。納豆には青海苔を。