こんにちは。
京都西陣で伝統工芸士3人を抱えて金襴織物を織っている西陣岡本、岡本織物株式会社です。
皆様、9月の中旬健やかにお過ごしでしょうか。
昨日のチリでの大地震・・・現地の方々が心配です。日本でも津波が来ているようで何事もありませんように。
金襴を織っている織屋として各地で使われている金襴を探してブログを書いています。
小豆島まで行って金襴を探してきました。
小豆島といえば、私のイメージでは青い瀬戸内海に浮かぶオリーブ色をした木立の美しい小島。爽やかな風美しい空、美味しい魚。
想像通り美しい島でした。
多摩美術大学の講師をしてはる織咲 誠先生が小豆島に頻繁に行ってはるというお話をお目にしていましたので、「先生、小豆島に行くのですが行くべきポイントを教えてください」とお聞きしたところ、何点か教えていただいた中に「天空霊場 西の滝龍水寺」がありました。是非行くべし。
織田先生は「アートとデザイン、グラフィックとプロダクト。さまざまな領域を縦横に横断して制作」をしてはる先生。ダンボールを工作しやすくするためにor-itaというカッターというか折り線をつける道具まで自作してしまう方です。私も購入しました。到着したらダンボール工作を楽しみたいと思っています。
織咲 誠先生に教えていただいた「天空霊場 西の滝龍水寺」。こちらは行者・小林龍應さんのブログ。小林龍應さんは定年退職後に得度しはって高野山で100日の四度加行、伝法潅頂を受け僧になるという方。定年退職後、2009年3月に西之瀧竜水寺に入られました。私が寄せてもらった時ににこやかに色々教えてくださった方が龍應行者でしょう。
かなり山の上なのですが途中まで車で来る事が可能です。私には断崖絶壁に見えました。
階段を登った先の門には「太麻山慈眼院龍水蜜寺」。密教寺院。
門だから油断していたらまだ階段がありました。でも、がんばって登るととてもかっこいい建築。
今はコンクリート造りですが昔は木造だったそうです。火事を何度か繰り返し、今現在はコンクリート造りとなりました。
行者さんがいかにも修行しはりそうな断崖絶壁ですね・・・。
金襴織屋かとしては掛かっている鮮やかな布が気になります。お寺に掛かっているこの五色の色布、弊社でもたまにこのようなものを織ることがありますが、お寺に映えますね。
太麻山と偏額に書かれた本堂をお参りします。
カリスマ弘法大師がいはりました。お大師さんは100人位居たのではないかという位の足跡が日本各地にあります。
中のお堂には私が探している金襴が掛かっています。業界では定番となっております菊桐唐草紋様。
ご本尊は十一面観音像のようで御真言は「おんまか きゃろにきゃ そわか」。
そこへ現れたのが龍應行者さんで「ここ入っていかはり」と教えて頂きました。あら、洞窟。修行のための人工?自然洞窟?
「弘法大師加持水」と書かれた看板。
中は暗くてぼけていますが不動明王が祀られていました。
「龍水」という自然の泉が沸いているようで龍水を入れるボトルもありましたので一つ頂きます。一つ100円。
龍水については暗闇だしよう見えないし、怪しんでいました。しかし、龍應行者さんによると、この西の滝の地は火山性の土で出来ていて山のてっぺんにもかかわらず、山の中に1万年などの単位で水が溜まっていたのが徐々に湧き出してくるのだ。だからかなり殺菌力も強くて冷蔵庫に入れておけば1年は腐らない。龍水を持って帰り風邪のときに一滴、体調不良のときに一滴と飲み水に入れることで体調管理をしてはる方も多い。との事でした。
さっそく飲み水に一滴入れました。
こちらの龍水寺には伝説があります。
小豆島町(旧池田町)の西の滝に大麻山龍水寺(だいまざん りゅうすいじ)という寺があります。
その寺には龍の口から出る清水があって、どんな干ばつにも枯れることはありません。むかしむかし、弘法大師がこの島にこられた時に、この地は一面の荒れ地でありました。お大師様が、そのわけを聞くと「ここはいくら作物をつくっても、大麻山にいる龍が来て荒らしてしまうのです。その上、子どもはさらわれる、家畜は殺される。」と村人達は訴えました。
お大師様はさっそく大麻山に登り、龍が出てくるのを待ちました。しばらくすると、すごい形相の龍が現れましたが、お大師様は驚くこともなく、静かにお経を唱えはじめました。するとふしぎやふしぎ、たちまち龍はへなへなとなり、お大師様の手でかめの中に封じ込められてしまいました。かめの中の龍は、今までの悪事を悔いて、その償いとして、これからはどんな干ばつがおこっても絶対に水は絶やさないと誓い、そのかめの下からは澄んだ水がこんこんと湧き出して、荒れ野はよみがえり作物に恵まれるようになったということです。
龍水寺の清水は、龍の誓いのとおり今なお枯れることなく湧き出し続けています。—香川の水サイトさんから引用
「おんまか きゃろにきゃ そわか」と唱えます。行者さんが毎日お勤めをしてはるのでしょう。生活感のある仏壇です。
仏壇から90度曲がると、カメラでなんとか写りましたが真っ暗です。外は暑いのにひんやりしてちょいと怖い。
ここを抜けますと最初に見た岸壁にそびえたつお堂に到着です。
うわ~。高い!
絶景かな絶景かな。小豆島の有名ロケーション、土庄のエンジェルロードも見えます。
行者さんがお守りする天空霊場にふさわしいお不動さんもいはりました。身代不動明王と書いてあります。
こちらも可愛らしい。
先日ご紹介した弁天さんと同じ弁天族の方かもしれません。琵琶にしては小さいですがたぶん琵琶でしょうね。
これはまた苔むした灯篭。
灯篭かと思いましたら・・
尼さんが入ってらっしゃいました。
お寺の瓦というのは面白いものがありますが、こちらは打ち出の小槌。
バラと猫
沖縄っぽい獅子。
龍水寺に相応しい龍。
上の画像とはまたデザインの違う龍。
さ、帰り道は楽かと思ったら、怖い~。でも見晴らしは最高です。
帰りは行きに上ってきた急階段。こけないように気をつけて降りましょう。
小豆島、とても面白くて素敵な島でした。
西陣の西陣織屋で金襴を日々織っています岡本織物、身近に金襴製品を、という思いでオンラインストアもオープンしています。どうぞご覧ください。
今日の織屋の賄いは、京都のおばんざい。ナスにしん。小ナスはちょっとしょっぱく漬かってしまいました。