京都市上京区にある西陣織の金襴織屋の西陣岡本のブログを読んでくださり、どうもありがとうございます。
御堂筋には大きな本願寺派のお寺が2つあります。
一つは難波別院。
そしてもう一つが津村別院。
今日は津村別院で金襴を探したお話です。
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下がり藤。蔓の巻く方向はとても大事です。
蓮如上人と言う偉いお坊さんがいはりました。蓮如上人のお師匠さんの親鸞聖人から伝えられた「お念仏」を広める為に現在の大阪城の辺りに石山本願寺を立てました。1497年の事です。
門前町は大いに発展。大阪のパワーの源になります。
しかし、織田信長に敵視されて信長VS本願寺という争いが起こります。
争いにより大阪城辺りを離れ、天満に近い「楼の岸」という場所に新しい坊舎を建てます。
その後「津村郷」と呼ばれていた現在の地に1597年に移ってきます。
その為「津村別院」の名で呼ばれるようになりました。
本願寺派が二つあり、津村別院は北にあったので北御堂、難波別院は南にあったので南御堂。
その辺りに熱心な近江商人などが門徒となって集まり、「船場」となりました。
世に有名な船場商人とはそのように形成されたんですね。
近江商人が船場の商人になったとは知りませんでした。
津村別院は1724年享保の大火により堂舎焼失 、1945年大阪大空襲により焼失と二度の焼失を経験してしまいました。なので建物もお寺の割にはだ新しくてモダンな感じがするんです。
南無阿弥陀仏。
蓮如上人の銅像。
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蓮如上人は、室町時代の浄土真宗のお坊さん。京都東山の知恩院近くで生まれはったようです。母親の身分が低く早く生き別れになってしまったりして生まれは寂しいお方だったようです。だいぶと寂しくなっていた本願寺派を盛り立てて、現在の本願寺派&大谷派の礎をきずかはったお人。
奥さんが4人も亡くなってしまい生涯で5回の結婚をしはりました。
子は男子13人、女子14人と27人もお子さんが生まれたそう。
すごいです。
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親鸞聖人は浄土真宗の祖とされています。
末法思想が広まり「乱」続き。民衆は疲弊していました。
方丈記によると洛中の死者だけでも、4万2300人とされる養和の飢饉が発生し戦乱・飢饉により、洛中が荒廃。
おお。怖いですね。
そのような世の中は経験したくはありません。
そのような中、賢い親鸞聖人が子供の頃、9歳の時には「明日ありと思う心の仇桜、夜半に嵐の吹かぬものかは」と詠んだという。そのような無常観を9歳の子が詠んでしまうなんて。賢すぎるし、寂しいです。
この平和な日本、回りの子供を見渡してもそんな9歳いあらしません。聖人と呼ばれるお方です。最初から違うのですね。
賢い「親鸞聖人の子供の頃」さんは、お勉強を重ね、法然上人に入門して学問に励みます。
「南無阿弥陀佛」を浄土門の真実の教え「浄土真宗」であると説かはりました。「出家とその弟子」というとても良い戯曲があります。その「出家」は親鸞聖人のことです。
「出家と弟子」はとても面白いので未読の方は是非どうぞ。
金襴を探しましょう。
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お寺は憩いの場です。何人かがくつろいではります。近づいてもっと良く見てみましょう。
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とても立派なお堂です。
でもやはり打敷などの飾り布は飾っていません。
打敷は特別なときのお洒落着なのね。
あ!でも上から「幡」みたいなのが垂れ下がっています。
これ、金襴!嬉しい。発見です。
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この仏壇の中にも戸帳を発見です。きらきらして綺麗ですね。
大人になるとわかってくる(金襴屋になったからかも)この金襴と金の輝きの美しさ。綺麗だな~と思います。
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こちらはまたぐっと渋いお色で。
奥の方にちらりと金襴が見えるような・・・
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お軸も金箔張りの壁に負けない意志の強さを感じます。
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こんなに大きいのに周りをほのかにあかるくしてくれる明かり。
こう見えてとても大きいですよ!
今日は金襴をぼちぼち見られて良かった。