2021年6月17日付の読売新聞朝刊コラム[New門]にて、西陣織の紋データ入力でフロッピーディスクが現役で使われているということが取り上げられました。[New門]
[New門]は、旬のニュースを記者が解き明かすコーナーです。今回のテーマは「フロッピーディスク」。
![2021年6月17日の読売新聞朝刊 [New門]](https://okamotoorimono.com/wp-content/uploads/2021/06/DSC_5442-2-scaled-1024x576.jpg)
フロッピーディスクが働く現場
西陣織では「紋データ」と呼ばれるデザイン情報が必要です。紋データはジャカード装置に連動し、織物の紋様を制御します。
弊社では、データを装置に読み込ませるための媒体としてフロッピーディスク(FD)を使い続けています。
今はすでに製造が中止されて久しい媒体であり、供給が限られる中でも、手元にあるFDにデータを書き換えて再利用している状況です。
フロッピーの実用性と限界
フロッピーディスクはかつて多くの産業機器で用いられていましたが、記録容量の面で限界があります。
記事では、2000年代をピークに一気に衰退したという背景も触れられています。
弊社でも、FDの老朽化や供給不足が課題となっています。転送速度や記録容量は現代のデータ媒体と比べれば小さく、劣化による故障や破損のリスクも少なくありません。
現状のデータ管理
紋データそのものは、パソコンやハードディスクへの保存も行っています。FDは機器への読み込みや互換性のために使われているものであり、データの唯一の保管場所ではありません。
なぜFDが残っているのか
西陣織に使われる紋データはもともと「紋紙」という通り、紙で作られていました。
パンチカードの原形のようなもので、穴の有無によって織柄を制御していました。
それをフロッピーディスクという1980年代では最新の保存メディアでした。
しかし、紙のままではデータ保存の方法としての紙自体も重たく不便です。紋紙を作るために特別な装置も必要です。
フロッピーディスクは、現在主流の読み込み媒体と比べると規格が古く、フロッピーディスク自体は規格として役割を終え、新規製造が行われなくなりました。
しかし、後継のデータ転送方式をすべての織機に設備工事するのも一気には難しく、定着するまで時間がかかっています。
こうした背景から、「古い規格であるFDを使い続けざるを得ない現場がある」という事実が、新聞コラムで紹介されました。
仕事の背景として
西陣織の現場では、使い慣れた装置やメディアが長く使われるケースが珍しくありません。
織手が新しい装置に対応するのも一苦労です。
このように道具や規格の変化が仕事の手順や効率に直結するため、新しい仕組みに置き換える際には、周辺工程を含めた慎重な対応が必要となり、なかなか対応できていないのが実情です。
記事引用元(新聞)
この記事の元になった読売新聞のオンライン版はこちらからご覧いただけます。
大阪経済部の吉田雄人記者、どうもありがとうございました。
読売新聞オンライン:容量わずか1.44メガでも…しぶとく現役、ニッチな分野で生き残る
補足
紋データの取り扱いや装置の互換性については、西陣織に関わる職人たちの間でも話題となっており、近年ではSDカードやUSBメモリなど新しい媒体への移行も進んでいます。
