

西陣織の希少技術『引箔』でMANGAを織る|新作『ひゅらん。』万博で発表
西陣織の技術でMANGAを織る|新作タペストリー『ひゅらん。』を大阪・関西万博で展示
岡本織物株式会社(京都市上京区)
岡本織物株式会社(代表取締役 岡本圭司)は、京都・西陣に伝わる織技術「引箔」を用い、若手マンガクリエイターユニット「ぐらにゅーとー」との協働による新作タペストリー『ひゅらん。』(約250cm×140cm)を製作しました。

本作は、2025年10月開催の大阪・関西万博「EXPOメッセWASSE」にて展示されます。また、11月12日〜14日に開催される「TOKYO TEXTILE SCOPE」にも出展予定です。
当社は今では希少になってしまった手織りと力織機というシャットル織り機でしか製織出来ない西陣織での織表現を守ってきました。シャットル織機でしか織れないむっくりとした質感や素材を大事にしています。「引箔」は当社では多用されているけれど、今では西陣でも希少な技術であり素材です。紙に箔を貼り、細く裁断したものを絹糸とともに織り込むことで、光と奥行きを生み出す伝統技法です。
『ひゅらん。』は、マンガのコマ割りや余白、時間の流れを織物の中に表した作品です。絹と箔によるレイヤー構造が、物語の断片を静かに語りかけます。
ぐらにゅーとーは、京都出身の10代クリエイターによるユニットです。繊細な構成力と詩的な世界観を持ち、今回の作品では「夢の中で光を追うふたりの物語」を描きました。西陣織という素材に触れながら、彼らの表現が織物の中で立ち上がっていく過程は、世代や技術を越えた共創のひとつのかたちです。
引箔は、ただ守るべき技術ではありません。語り直すことで、次の世代に手渡すことができる、その可能性を『ひゅらん。』に込めました。
『ひゅらん。』は、アーティストやデザイナーの世界観を西陣織でかたちにする可能性を示すサンプルでもあり、受注制作も承っております。ぜひ会場で、職人たちの手仕事が生み出す織の表情をご覧ください。
EXPO2025 展示概要
- 展示名:未来航路 – 20XX年を目指す中小企業の挑戦の旅
- 会場:2025年日本国際博覧会「大阪・関西万博」EXPOメッセ「WASSE」
- 期間:2025年10月3日(金)〜10月7日(火)
- 形式:体験型展示
- 経済産業省プレスリリース
10/3(金)は10:00から開会式が行われ、10:30からプレ展示ツアーが予定されています。1
TOKYO TEXTILE SCOPE 展示概要
- 展示名:TOKYO TEXTILE SCOPE
- 会場:東京都立産業貿易センター 浜松町館5F B-118
- 期間:2025年11月12日(水)~14日(金)
西陣の職人たちの仕事について
岡本織物では、シャットル織機による手織りや力織機を用いた製織を続けています。織物の質感や素材の奥行きは、写真では伝えきれません。ぜひ会場で、職人の手仕事が生み出す織の表情をご覧ください。
短縮版はこちらからご覧いただけます。 ひゅらん。が出来るまで短縮版
職人たちのインタビュー記事も公開しています。制作の背景や技術について、より詳しく知っていただけます。
岡本織物株式会社について
京都・西陣にて創業。神社仏閣向けの金襴織物を中心に、伝統技術を守りながら、現代の表現と融合する織物づくりに取り組んでいます。
ぐらにゅーとーについて
京都出身の「こうのしん」さんと「めたぼ」さんのクリエイティブユニット。