京都西陣金襴屋の〈西陣岡本〉のブログを読んでくださる方々どうもありがとうございます。
私は京都の西陣で西陣織と言う伝統工芸の仕事に携わっています。
西陣織と言えば帯を思い出しますが、弊社の布は「金襴」という分類です。
お坊さんのお袈裟やお寺の本堂や仏壇の中の打敷などの「宗教金襴」という絹織物を織っています。
それらの絹織物を見ていると「伝統って、統べられて伝えられてきたものなんだ」と実感します。
1000年以上愛されてきた文様は美しい、と。
正倉院の文様は普遍的です。美しい。
昔の人が考えたり生活から湧き出てきた柄でしょうが、それが1000年以上愛されてきたのです。生半可なことではそんなに愛されません。
でも何か新しい柄を作りたいなあ。伝統柄を外れた西陣織金襴を織ってみたい・・・。と正倉院文様を見ながら思います。
そこに生物の写真を見ているときに目にした「細胞」の写真。細胞は分裂を繰り返し増えていく。とても不思議な細胞が私たちの体を作っています。とても興味深く、美しい。さっそく紋を起こして、「西陣織 正絹 金襴 細胞」を織りました。
西陣織 正絹 金襴 細胞紋様
ハンチングです。ファーとあわせてみました。
この生地は・・・
経糸 正絹
緯糸 正絹
紛金糸、紛金箔糸使用
布巾:約70センチ。
両端に耳と呼ばれる無柄の部分が約8ミリづつあります。
柄のある部分は約68センチです。
丸帯が縫える巾です。