弊社から見て東方面、閑静なる住宅地、京都御所の西側に共同学童保育所があります。
共同学童保育所虹の子クラブの旗
その保育所に子供を預けてはる保護者様から「我が子の通う『虹の子クラブ』の旗を織ってくれないだろうか」というご相談を頂きました。
お話を聞いていると、とても良い保育方針の学童クラブ(主に共働き家庭の放課後の子供の面倒を見てくれるところ)のようで、その保育方針に感動した保護者様が「何か記念になるものを」という事でここら辺の地場産業である西陣織に注目してくれはったそう。
折角日本でも有名な地場産業、「西陣織」の地域なのに、たぶんほとんどの子供たちは「西陣織」に触れたことは無いでしょう。小さな頃から本物に触れるのは大事なことだと考えています。私たちは西陣織で口に糊していますから「西陣織と触れ合う機会」なら御手伝いできます。
デザインについて
お名前が「虹の子クラブ」という事で雲から出ずる虹の紋様をバックに、クラブ内の有志の保護者様に「虹の子クラブ nijinoko club」という墨書もして頂き、早速紋意匠を作らせていただきました。
金の色が褪せないようにと西陣金襴の伝統技術である「本金引箔」で織らせていただきました。
和紙・漆・本金箔から出来た糸です。
織地は錦。錦とは「綾織」の別名です。「錦の御旗」というのは「錦織の旗」というわけではなくて「朝廷側の軍の旗」という意味です。「錦の御旗」の多くは「日」「月」「菊」等が織り込まれています。そして「錦の御旗」の地組織は「緞子地(朱子=サテン)が多いよう。
今回の旗は錦地のほうがしっかりしてるので、お子さんだらけの施設にはいいかしら?という事で錦にしました。
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可愛いお子さん達に旗を持ってもらいました。
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ピカピカの光箔か渋いサビ箔か悩みました。子供の目には光箔の方がピカピカして良いかしら?と思ったのですが、「サビ箔」の方がしっとりと美しいだろうということで「サビ箔」という金箔を使わせていただきました。
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数多くの子供を見守ってきはったという虹の子クラブの指導員の方にお願いして、今までに卒所していった子供たちの名前もすべて手書きで書いていただき、裏地に織り込みました。「虹の子クラブ」にちなんでレインボーカラーで名前を織ります。納品の時に子供さんたちが一生懸命自分の名前や知っている人の名前を探してはりました。ああ、楽しい。
この端に見えるひらひらが「和紙張りの本金箔糸」の証拠です。一本一本箔糸を引いて織り込んでいきます。
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緯糸の間隔も細かく織っているので金がピシッと引き締まります。
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裏地となる部分に子供の名前をレインボーカラーで織りあげました。どうぞ、在所生さん、卒所生さん、自分の名前を見に行ってみてくださいね。
こちらの「虹の子クラブ」さんは博報堂さんが主催している「博報賞」の「文部科学大臣奨励賞」を受賞されたそうです。おめでとうございます。
西陣織の岡本織物。
「織ってみたい物」がありましたら、ご相談くださいませ。お待ちしております。
どうぞお気軽にお問い合わせ下さい。