紅葉や桜で有名な嵯峨に天竜寺と言うお寺があります。臨済宗天龍寺派大本山の寺院でございます。
寺号は天龍資聖禅寺(てんりゅうしせいぜんじ)、山号は霊亀山(れいぎざん)。
室町幕府将軍の足利尊氏が開いたお寺で、本尊は釈迦如来。夢窓疎石(むそう そせき:東大寺で受戒して建仁寺で禅を学ぶ、各地で修行、滞在をして南禅寺の住持となる。その後も各地の寺を開いたり滞在したりし、1333年に鎌倉幕府が滅亡してから再度後醍醐天皇に招かれて南禅寺へ。その後、尊氏に負けた後醍醐天皇を弔う為に全国に安国寺を建立して、その一環で天竜寺も建立しました。)が初代住職で後醍醐天皇を弔うため1339年に創建されたというお寺です。後醍醐天皇は南朝の初代天皇で、政権が混濁する中、家臣だと思っていた足利尊氏の離反によりダメージを被ったりなんたらかんたら・・・。ややこしくてとてもあっさりとは書けません。
河内のヒーロー楠木正成は後醍醐天皇の元で足利尊氏と戦いました。結局は後醍醐天皇は最終段階では劣勢に陥り、その劣勢を覆すことができないまま病に倒れて崩御なさりました。
そういう経過があるので、足利尊氏が思わず後醍醐天皇を弔ってしまうのもようわかります。今もものすごく大きなお寺ですが、昔も立派なお寺だったようで足利尊氏や天皇家からの寄進が多くあったのですがそれでも建設費用が足りずに、「天龍寺船」という元寇以来無くなっていた「元」との貿易を再開させたと言う事もあります。すごいですね、一軒のお寺を建てるために貿易を始めるなんて!
ざっくりですが、天竜寺のあたりを赤でくくってみました。右端の丸は京福電気鉄道の嵐山駅でございます。ローカル感のあふれる良い路面電車です。
ほんまはこの赤い枠の中に私、京都西陣の金襴織屋、岡本織物の探している「金襴」は沢山あるはずなんです。どうぞ、嵐山にお寄りの際は見学できるお寺もありますので金襴地にもご注目してくださいませ。
このお寺の中には金襴地が沢山あるのに・・・写真を撮れなかった私は、天竜寺の外側、渡月橋へと続く道沿いに現代風の可愛らしいお地蔵さんを発見しました。五地蔵?いや、右の観音様と合わせて六地蔵・・・?しかしどうみても観音様っぽいな・・・。可愛らしいお地蔵さんを集めたのでしょう。
つくばいと思われる四方にお地蔵さんの彫がある石もありました。
つくばいらしい石はお不動さんと共に、道を行く人々や車などの安全安心を祈っているのに違いありません。
お地蔵さんのお向かいさんは嵐山らしいお土産やさんです。祇園もそうですが、嵐山も中国語の嵐でした。中国の方々の勢いはすごいものがありますね。
こそっと追記でございますが、今日5月8日から京都迎賓館の見学の申し込みエントリーが始まります。申し込み方法の詳細は、5月8日(金)以降に掲載との事です。
今日の織屋の賄いは、鶏の手羽から採った出汁で豚肉などを炊きました。生姜たっぷりです。