大阪 野田 源吉大明神~西陣 金襴織屋のお地蔵さん見物

こんにちは。ものすごい湿度に覆われている京都です。自宅の湿度計が90パーセントでした。

辛い日々が始まりそうな予感。ああ、湿度にはほんまに悩まされます。

朝からぼやいている京都の織屋、岡本織物です。

ブログではお地蔵さんのことばかり書いておりますが、本業は金襴という神社仏閣に向けた絹織物の織屋です。

ライフワークとしてお地蔵さんの写真を収集しています。

お地蔵さんには金襴地が使われている事がたまにあるんです。市井の金襴に興味のあった私はお地蔵さんの金襴を拝見しているうちにお地蔵さんの面白さにも開眼してしまいました。
面白い!

今日御紹介させてもらうのはお地蔵さんというか神様です。源吉大明神という明神様です。源吉さんという狸ですが。
大阪の福島区野田にてうろうろした記録です。

下の画像は「野田緑地」。ここは大阪中央市場に近く昔は大阪環状線から中央卸売市場まで国鉄(燕マークでしたよね!)の支線が通っていたようです。その線路を廃止した時に跡地が緑地になったそう。琵琶の花も咲いていていい感じですね~。今頃たわわに実っていることでしょう。

大阪 ななしの狸
大阪 ななしの狸

この緑地にいはるのが「ななしの狸」さん。おべべを着てはるのでわかりませんが徳利を持ってはるそうです。

大阪 ななしの狸
大阪 ななしの狸

どなたがこちらに置かはったのでしょう。

大阪 ななしの狸
大阪 ななしの狸

「ななしの狸さん」からちょいと行くと「源吉大明神」さんがいはります。

大阪 野田 源吉大明神
大阪 野田 源吉大明神

大阪 野田の源吉大明神。どれどれ。

大阪 野田 源吉大明神
大阪 野田 源吉大明神

あらっ。思ったよりも大きい狸像でした。少し上を向いているお顔と太目のまゆげ、とぼけた雰囲気がとても可愛らしい明神様。

明神とは、神仏習合の上の「仏教的な神様」という立ち居地です。昔は「大神」と呼ばれていたものが平安以降は「明神」と呼ばれるようになったらしく、私には説明するのが困難なので省きますが「本地垂迹説(ほんちすいじゃくせつ)」という考え方が出てきてから「大明神」が日本の民衆を救う為に現れた仏教の仏の化身であるという考えが民衆に広まります。神様は「八百万の神」と申しますし、ものすごいたくさんの神様がいはって祀られている神社によって神様も色々な人がいはるのですが、いちいち「青沼馬沼押比売神(あおぬまぬおしひめ)をお参りに行きましょう」とは言わずに○○神社にお参りに行く、と言いますよね。そのような感じで「○○神社の」「○○大明神」等と簡略して言われていたようです。

時代劇などを見ていますと「○○大明神にちょっと」「○○大権現に行ってくらあ」というせりふがあったような・・・。

こちらの源吉大明神さんは「源吉狸をお祀りして明神さんになった」という感じでしょうか。
源吉さんは元々違う町内にあったそうで、移転が必要になり移転するためのお払いに行者さんを呼んだら「我輩は源吉なるものぞ」と名乗ったそうなのです。それで「源吉」さんに。しかし、それ以前はなんと呼ばれていたのでしょうか。この地域に戦火が少なかったのもこの源吉さんの「火伏せの神」としての力があったそうです。

大阪 野田 源吉大明神
大阪 野田 源吉大明神

来はった行者さんは「大峯山」の行者さんなんでしょう。弊社の社長も年に一度大峯山へ修行に行かせてもらっています。

大阪 野田 源吉大明神
大阪 野田 源吉大明神
大阪 野田 源吉大明神
大阪 野田 源吉大明神

今でも守り神さんとして地域に大事にされています。

大阪 野田 源吉大明神
大阪 野田 源吉大明神

大事にされている神様っていろいろな物が奉納されているんです。

今日の織屋の賄いはかしわのカレー焼き、玉こんにゃくの味噌煮でございました。両方とも伏見唐辛子添えです。
この季節、京都は万願寺唐辛子、伏見唐辛子、鷹峰唐辛子(滅多に入手できない)、など青くて辛くない唐辛子が充実。美味しいんです。弊社には振り売りに来てくれるので採りたての京野菜を頂けます。嬉しいなあ。

かしわのカレー焼き、玉こんにゃくの味噌煮
かしわのカレー焼き、玉こんにゃくの味噌煮

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