こんにちは。京都の西陣織屋の〈西陣岡本〉です。
今日の西陣織屋のブログは手織りで引箔を引く道具「へら」のお話。
西陣織の箔を引く道具、へら
西陣織や金襴は「金」とつくように、金箔糸や銀箔糸、プラチナ箔糸などが多く使われています。これらの箔糸(和紙に金箔を貼り、その金箔紙を細く切った「平箔糸」)は、西陣織の大きな特徴です。
本金引箔の魅力
和紙に漆を塗り、金箔を張って細く切った短くて平べったい糸が「引箔糸」です。
世界でも西陣でしか織られてないとても珍しい織物です。
この「へら」という道具を使うのは、手織り機(手機)です。織り前の左側に箔糸を綺麗に整え、引き抜きやすくセットしておきます。飛び出ているのが、和紙に金を貼って細く切った箔糸です。
へらの使い方
織前の左側に箔糸を綺麗に整えて引き抜きやすくセットしておきます。ぴんぴんと飛び出ているのが和紙に金を張ってそれを切った箔糸です。
- 右手にへらを持ちます。
- 経糸にへらを入れ、左に用意してある箔糸に引っ掛けます。
- 一本一本、丁寧に引き入れます。
織っている時は布の裏側を見ています。箔も裏の和紙部分なので白く見えますが、織り前の裏(布の表)から見ると、ぴかぴかの箔が輝いているのです。
この道具は弊社では「へら」と呼んでいますが、家々によって呼び方が異なるようです。
毎日絹糸と擦れ合って滑らかになった竹の質感は、本当に魅力的です。