こんにちは。
京都西陣に居を構える金襴織屋の岡本織物です。
「金糸・金箔糸」を使用した金襴と呼ばれる豪華絢爛な織物を毎日織っています。
神社仏閣に関するものを織っていますが、自分達の布が製品になって使われている所をあまり見たことがありません。もちろんの事、布地は毎日見ているんですけど。
いったい金襴はどのようなところで使われているのか?という疑問を抱いて、金襴を探してさまよっています。京都に沢山あるお地蔵さんにはおべべやミニ戸帳として使われています。
そしてもちろんお寺には沢山あるはず(しかし金襴はお寺の宝物の為、法要など重要な時にしか使われてない事が多い・・・)
普段着の金襴で結構。色々と探してみましょう。
というテーマでブログを書いていることが多いです。
神社仏閣がテーマ→https://okamotoorimono.com/category/templeshrine/
道々のお地蔵さんがテーマ→https://okamotoorimono.com/category/jizo/
今日は神社仏閣!祇園の建仁寺で金襴を探してきました。
まずはお宝。風神雷神図。公開されてました。俵屋宗達の筆。すごいです。これが家の中にあったら・・・等と考えてしまいました。迫力あります。
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京都の豪商打它公軌(うだ きんのり)(敦賀の人で京都、大津に住んでいはったそう)さんが、京都妙光寺(右京区宇多野にある臨済宗建仁寺派の寺院)再興の際に製作を依頼したとされるが定かではないそうです。
↓すばらしい襖絵です。竜です。
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この沢山の御座布団。こちらで何をしはるんやろな?
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御庭が素敵。ゆっくり座る事が出来ました。方丈前庭・大雄苑と呼ばれています。枯山水って心落ち着きます。しかし、これを維持するのは大変な事でしょう。禅寺ですからすべて修行の一つなのでしょうが、中々大変です。
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↑反対側から望んでみました。こんな家に住んで縁側で御昼寝したら気持ちよいだろうなあ。御世話の事は考えないでおきましょう。
↓竜の天井図。写真で見ると「ふ~ん」と思いますが是非、実物をご覧ください。素晴らしい!浮き出てくるようです。「双龍図」こちらは新しい絵です。平成14年(2002)に建仁寺創建800年を記念して描かれました。日本画家の小泉淳作画伯が水墨でかかはりました。約2年かけて取り組まはったそうで畳108畳にも及ぶ大きさ。まさに圧倒されてしまいました。
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それでこちらの床が↓ここに正座や座禅は厳しいです。立ったままでお勤めしはるのかしら?
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天井にはすごく立派な天蓋がきらめいています☆ところどころに金襴が使われています。
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↑全体像はこのような感じで美しいです。
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↓襖絵は「竹林七賢図」床のぴかぴかな事!
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ふんふんみていたら金襴を発見しました。
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これが『打敷」です。「二重蔓蓮華唐草」の三角打敷です。どうぞクリックしてアップにしてください。
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拝見した後、御庭へも。と、雪隠があったのでちょっと寄って見ました。「この時期のお寺のトイレは過酷なのよね・・・」と思っていたら、なんと、温水便座シャワートイレ。禅寺なのに。助かります。思わず写真を撮ってしまいました。
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↓これはびっくり。硯です。田村月樵(たむら げっしょう)遺愛の大硯。建仁寺の襖絵「唐子遊戯図」などを描かはったそう。納得です。あんな大きな絵を描くにはこんな硯も必要なのかもしれません。
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建仁寺はよく通り抜けるのですが初めて拝観しました。さすが名刹。素晴らしかったです。
これから京都は桜の咲く良い時期を迎えます。どうぞ、京都にいらっしゃった時は祇園で食事の前に建仁寺を拝観すると言うのも素敵です。