まいど、京都西陣金襴屋の岡本織物のブログを読んでくださる方々、ありがとうございます。
今日は広島原爆忌です。今の世界を取り巻く状況は厳しいものがありますが、子供達の笑顔がこれ以上無くならないように私達は日々、生きていくべきだと朝食の席で家族で語りました。
亡くなった方々、今でも後遺症に苦しむ方々に心からお祈りいたします。
さて、今日のお話は我が社の布で作った袱紗のお話です。袱紗といっても、物を飾る時に敷く用の袱紗でお茶席で使う袱紗ではありません
お祝い物だったので宝の紋様をたくさん詰め込みました。
本金引箔の柄がある版、本金柄箔で引き箔という手法、友人の家紋「五三の桐」入りの金襴を本金糸で縫い取りました。
柄箔とは・・・なんでしょう。
箔糸の説明からさせていただきます。
「箔糸」:薄い和紙に金箔を貼り、その金箔紙を細く細く細く切ったものが箔糸です。下の画像は柄のかかれていない箔糸ですが、この箔糸に切る前に柄を書いたものを切りますと「柄箔糸」になります。
それを「こより」の糸状にしたものが「金糸」です。下の画像は巻かれた本金糸達。
紙がよじれてしまって裏返ったりして表に出てしまってはいけないので気をつけてよらないといけません。和紙部分が見えてしまうと織物にしたときにとても汚くなってしまいます。
柄箔とは金箔紙に漆などで模様を描いていきます。その金箔紙を細く細く切ったモノが柄箔糸です。
普通の金箔糸は箔を引く(織っていく)のに引く順番は関係ありませんが、この柄箔糸は順番に引いていかないと模様(柄)が出てきません。
ちゃんと端からあわせて引いていかないと、柄が出ないのです。
柄箔糸の場合は順に箔を引いていかないといけないし、模様がずれては台無しなのでより気を使う織物になります。
絣織のような物だと考えて頂けたら解り易いと思います。
同じ柄行きで色違いも制作しました。
こちらは柄箔ではなくて正絹の糸で地色を織りました。同じ紋紙でもより模様がはっきりみえますね。
どちらがお好みですか?
私は、柄箔の地色も良いし青の地埋めの袱紗も好みだなあ。
今回は、私が勝手に友達の為に柄をデザインして織りましたが、ご相談頂ければ、お好きな柄を紋紙にさせていただきます。
お祝い事などにいかがでしょうか。
名前を入れる事も可能です。
ほんまは、この袱紗と名刺入れも裏側に家紋とお名前が入っています。
これは名刺入れに仕立ててみました。本金でのお名前入れ、贅沢ですね。お名前の書体はご本人に書いていただきました。贈り物にぴったりだと思います。
あなただけの金襴を織ってみませんか?
ご注文を承ります。ご連絡ください。