本記事では、引箔が描いていく未来について考察します。
引箔の成り立ちや歴史、表現の魅力を含めた全体像については、まとめ記事をご覧いただくことで、より立体的にご理解いただけます。
私たち西陣岡本では、創業期より「本金引箔」という技術を用いて、西陣織金襴を織り続けてきました。
3回に分けて書いてきた引箔の「いろは」も、今回が最終回、「は」です。
- 西陣織の特徴
- 西陣織の未来への模索
- 西陣織が世界市場へ
- 2016年 The Wonder 500™認定
- 2017年 フィンランドのテキスタイル企業視察
- 2017年 ザネラートとのコラボレーション
- 2018年 「ジャポニスムの150 年」展 at パリ装飾美術館
- 2018年 「おもてなしセレクション」を受賞
- 2019年 ゴールデングローブ賞
- 2019年 TIE YOUR TIEとコラボレーション
- 2020年 NYFW 2021
- 2021年 Design Museum HelsinkiIntimacy
- 2021年 mom出展
- 2023年 French National Design Collection
- 2023年 INDEX Saudi Arabia | Saudi Arabia’s Interiors Trade Show
- 2023年 フィンランドのフィンランドの現代ファッション展
西陣織の特徴
西陣織は、日本が世界に誇る伝統工芸の一つです。
最大の特徴は「先染め織物」であること。糸を先に染め、色を組み合わせて織ることで、製織後の染色では得られない、奥行きのある色と質感が生まれます。
西陣織工業組合によると、「西陣織」として認められている技法は12種類あります。
西陣織の未来への模索
技術革新と伝統
西陣織は、伝統を守る一方で、常に技術の更新を重ねてきました。
地機から空引機へ、ジャカードの導入、動力織機、そして紋紙のデータ化へ。
変化を恐れず、必要な進化を受け入れてきた産地です。
下記は、2022年に西陣織会館で復元された「空引機(そらひきばた)」の様子です。
当社の社長も復元事業に参加しました。
低速シャットル織機へのこだわり
当社では、現在もシャットル織機を用い、経糸・緯糸ともに絹糸を使用した製織を行っています(緯糸に金糸などの金属糸を用いるため、絹100%ではありません)。
なぜ低速のシャットル織機にこだわるのか。
それは、経糸の張度が緩やかで、緯糸に自然な「山」と「ゆるみ」が生まれ、高級西陣織金襴に必要な、あの独特のむっくり感を織り出せるからです。
レピアなどの高速織機では得られない質感が、そこにはあります。
実際の製織の様子は、以下の動画をご覧ください。
次世代への継承
西陣は分業制の産地です。
織元だけが生き残ればよいわけではなく、関連する職人たちと共に未来を考える必要があります。
西陣織工業組合では、京都市産業技術研究所などと連携し、枯渇部品対策などにも取り組んでいます。
私たちは、インターネットや展示会を通じて、西陣織の魅力を国内外へ発信し続けています。
若い世代からの見学希望や問い合わせが増えていることに、希望を感じています。
西陣織が世界市場へ
西陣織金襴は、神社仏閣だけのものではありません。
時代に合わせて形を変えながら、世界市場へと広がってきました。
以下は、当社が取り組んできた国内外での主な事例です。
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2016年 The Wonder 500™認定当社独自のデザイン、扇形バッグを評価いただきました。「The Wonder 500™」とは、”世界にまだ知られていない日本が誇るべきすぐれた地方産品”を発掘し世界に広く伝えていく地方発クールジャパンプロジェクト |
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2017年 フィンランドのテキスタイル企業視察「海外ビジネス戦略推進支援事業」に採択していただき2017年1月に「フィンランド」へ市場調査に赴き、ヘルシンキの主要テキスタイル企業を全て訪問視察してきました。 |
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2017年 ザネラートとのコラボレーションイタリアンブランド 「ZANELLATO(ザネラート)」とのコラボレーションを実現。NINAの裏地に当社の緞子地が採用されました。デザインは当社テキスタイルデザイナーオリジナルの「ひなぎく紋様」。イタリアでひなぎくが広く愛されているという事でひなぎく(デイジー)を紋意匠化しました。 |
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2018年 「ジャポニスムの150 年」展 at パリ装飾美術館炭酸デザイン室×西陣岡本の共同制作「光る山」がパリ装飾美術館で開催される「ジャポニスムの150年」展へ選定。炭酸デザイン室がデザインを担当、当社は紋意匠と製織を担当しました。 |
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2018年 「おもてなしセレクション」を受賞西陣岡本×キタキカクの「きらめくクラッチバッグ」がOMOTENASHI Selection(おもてなしセレクション)を受賞。日本の優れた“おもてなし心”あふれる商品・サービスを発掘し、世界に広めることを目的に、2015年に創設されたアワード。キタキカクの独自性あふれるバッグのデザインが当社の絹地とマリアージュ。 |
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2019年 ゴールデングローブ賞フィンランドのデザイナー Mr.Teemu Muurimäkiとのコラボレーションのドレス。フィンランドの女優、Ms. Laura Birn金色に輝くドレスでGolden Globe Awards(ゴールデングローブ賞)へ出席 |
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2019年 TIE YOUR TIEとコラボレーションイタリアの老舗ネクタイブランド、TIE YOUR TIE、日本企業と初のダブルネームとして当社とのコラボレーションでセッテピエゲネクタイを発表。今すぐ購入 |
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2020年 NYFW 2021HIROMI ASAI AW21 「西陣織金襴虫紋様」「西陣織金襴アフリカ紋様」を選定頂きました。 |
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2021年 Design Museum HelsinkiIntimacyヘルシンキデザイン美術館にて〈Intimacy〉が開催。Mr.Teemu Muurimäki氏による西陣織金襴三階菱紋様のドレスを取り上げていただきました。 |
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西陣織金襴 Laureline Galliot Studio YAGASURI フランス国立デザインコレクションへ収蔵。 |
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2023年 フィンランドのフィンランドの現代ファッション展「フィンランドの現代ファッション」展 Mr.Teemu Muurimäki氏による西陣織金襴三階菱紋様のドレスを取り上げていただきました。 |
私たちは、「引箔は高すぎて市場に受け入れられない」と、長く思い込んでいました。
しかし2023年の新引箔製品発表をきっかけに、高価格であっても、その価値を理解し、受け入れてくださる方がいることを実感しました。
私たちには見慣れている引箔製品に対しての「こんな布は初めて見た」という声。
その一言が、私たちにとって何よりの励みです。
2023年の発表後、一番最初に引箔製品にご支持を頂いた日本のブランド、ha | za | maの2024-25AW×西陣織をこちらのリンクからご覧いただけます。
引箔が織りあがるまでの工程を伝えるために制作した動画も、ぜひご覧ください。
過去の技術を現在につなぎ、未来へと進んでいく。
引箔と西陣織が、これからも「生きた文化」として進化し続けることを願いながら、これからも引箔を含む西陣織の伝道師として西陣織について発信を進めていきます。
「西陣に伝わる伝統技法 引箔」についての3部作は以下のリンクからご覧いただけます。













