こんにちは。
今日は「いいふろ」の日ですね。語呂合わせ大好き日本人。
それにしてもお風呂の時間は至福の時間ですね。温かいお湯って気持ちよいわ~。
薬湯なんかもいいですね。
今日のブログは、この界隈で「薬湯」も作っているだろう、大阪の中央区道修町にある「少彦名神社の神農祭」について。
駅で言ったら「京阪電車 北浜駅」と「京阪電車 淀屋橋駅」の間くらいに位置する小さな神社です。
神農さんと呼ばれて親しまれています。
明治43年11月建立。
祭神の少彦名命(すくなひこのみこと)は薬、医療、温泉、国土開発、醸造、交易の神様。すごいですね。マルチな神様。薬に関わる神様を祀っているので、製薬会社さんの信仰が大きいです。こちらの道修町にも製薬会社さんが沢山あります。京都の二条通も製薬会社さんが多いのですが、規模が桁違い☆
少彦名命(すくなひこのみこと)は、日本神話では神皇産霊神(かみむすびのかみ)の子とされたり、高皇産霊神(たかみむすびのかみ)の子とされたりします。大国主が国を造った時に天乃羅摩船(アメノカガミノフネ)乗って海の彼方から来訪したとされます。山を作ったり、その山に命名したりしてはります。ちょっと悪がき的なところもある神様です。
国を造る時に協力したり、常世に行ったり、医薬・温泉・禁厭(まじない)・穀物・知識・酒造・石の神などほんまにマルチな才能を持つクリエイター。
そのような神である少彦名命(すくなひこのみこと)を祀っている少彦名神社です。今はビルに挟まれた一角に鎮座まします。
1780年(安永9年)に薬種中買仲間の組合が、薬の安全と薬業の繁栄のために、京都の五條天神宮(昨日書いた私のブログでちょっと登場)より少名彦命(すくなひこのみこと)の分霊をしてこの地に勧請。以前よりこの地にあった神農氏と共に祀りました。
さて、では、神農氏とはどなたさんでしょうか。中国では古代の言い伝えに登場する三皇五帝の一人で医薬と農業を司る「神農大帝」と尊敬されています。色々な人に医療や農耕について教えたそうな。世界最古と言われる本草書(医療についての本)『神農本草経』(しんのうほんぞうきょう)に名前が残っています。
トラが吼えています。トラと医薬は関係あるのかな。トラの骨は漢方になると言う話を聞きましたが・・・。こちらの神社では「張子の虎」が配られます。
「文政五年の秋、疫病(コレラ)流行して万民大いに苦しむこれにより、道修町薬種商相議り、疫病除薬として虎頭骨等を配合し、虎頭殺鬼雄黄圓(ことうさっきうおうえん)という丸薬を施与すると共に張子の虎を作り、神前に祈祷を行い、病除御守として授与する。古人、病を療するに薬を服用すると共に、また神の加護を祈る用意の周到なること誠に想うべきものなり。
と言うことで虎が吼えてるんですね。
こちらの神社は谷崎潤一郎の『春琴抄』にも名前が登場するのです。先日読売新聞に谷崎氏の最後まで連れ添った妻「松子」との記事が出ておりました。
「春琴抄」は 妻 松子夫人への愛を道修町の豪商の娘である盲目の琴三弦の天才 春琴 と使用人であり彼女の弟子であった佐助に託して創作した至高の愛の物語 である。
「春琴抄」の碑です。どうぞクリックしてください。大きくなります。
ずらずらと並ぶ現在の薬種問屋の提灯。
飾られる薬。
そして私が一番びっくりしましたのはこのビルの狭間でどんど焼きが行われていたことです。ダイオキシン問題があってから低温の焼き物は危険だと言う認識になっていましたが、久しぶりに見たなあ。どんど焼き。しかも、小さいっ!
↓立ち上る煙。
本殿はこのような感じです。三つ巴紋です。
角の生えたおじいさんがむしゃむしゃと薬と思われる葉をかじっています。これが神農さんでしょうか。しかし、どう見ても鬼さんですが、伝説によれば、神農さんの体は頭と手足以外は透明で、内臓が外からはっきりと見えたといわれています。そして頭にも角が生えていたそう。やっぱりこのおじいさんは神農さんのようです。
幡がが飾られていますね。神社だったらこういうものでしか金襴が見られません。
無金の錦。三つ巴紋がきっちり織られています。
少彦名神社の近くに私が愛用している「コニシボンド」の旧社屋、というか現在でも社屋として使われているのかもしれません、「コニシ株式会社」があります。
丁度、私が偶然立ち寄ったときは神農祭が終わった次の日でした。お祭りの名残があります。前日は縁日も大賑わいだったのでしょう。残念です。笹飾りがたくさんあったのですが、「コニシ株式会社」の前には私の愛用している「コニシボンド」が沢山連なっていました。思わず大歓び。
この他にも名だたる製薬会社が軒を並べていましたので、その各々の会社の前には「社の看板商品」が笹から下っていました。面白~い。
でもこの日はほんまに「後の祭り」で寂しかったですよ。前の日に来たかったなあ。
大阪のお祭りは、1月の十日戎ではじまり11月23日の神農祭で終わるので、「とめの祭」といわれています。
今日のサラリーマン飯=サラメシ
西陣の織屋の昼の賄い。船場汁。ことこととアラで出汁を