西陣織 金襴についての質問募集中!

西陣織ってなんやろ?と中に居る私でも思う事が度々あります。

西陣にご興味をお持ちの皆様でも「西陣ってなんなの?」と思う事がありませんか?

応仁の乱
応仁の乱

西陣って何?

西陣とは、応仁の乱の時に張られた陣営の事です。船岡山(京都の西)に陣を張った山名宗全vs相国寺近辺(京都の東。今は京都御所の真北ですが、このころの京都御所はもうちょっと西にあったのです)に陣を張った細川勝元。「人の世むなしい応仁の乱(ひと(1)のよ(4)む(6)な(7)しい)」1467年、室町時代、8代将軍足利義政のお世継ぎ問題に事を発したお家騒動により、世の中は戦国時代へと突入していきます。

おかげで京都市中は焼け野原。えらい大変だった事と思います。11年にもわたって続いたこの戦、結局勝敗つかず、お互い手打ちで終わったようです。しかし・・・お家騒動に巻き込まれて無くなったり焼け野原になったりで、そんな幕府を信頼できるわけがありません。

という事で室町幕府は衰退していくんです・・・。

ちなみに室町幕府として今の同志社大学のあたりに大きな足利家のお屋敷があったようです。

「西陣550」応援キャンペーン
「西陣550」応援キャンペーン

話しは元に戻りますが、船岡山一帯に陣を張った辺りが「西陣」と呼ばれるようになります。

そこに居たのが織物職人達。応仁の乱の時は堺などに避難していたという話もあります。

そんな西陣に居を構えるわれらが西陣織の職人達。西の陣があった所で織られたものなので西陣織と呼ばれるようになります。

お客様からSNSで質問を頂きました。

西陣織で作れるものでオススメは?

布で仕立てられるものならなんでも大丈夫です。どんどん面白いものを作って頂きたいです。

西陣織って他の織物とどう違うの?

他の織物との違いについてはブログを書きました。https://okamotoorimono.com/weav/nishijinoritoha/

西陣織工業組合に所属して、先染め織物を織れば全て西陣織です。

西陣織工業組合 証紙
西陣織工業組合 証紙

西陣織で着物を仕立てたら大体予算は?

物によって全然変わってきます。西陣織でも化繊もあれば絹織物もあります。店を介すか直接織屋から買うかなどで変わります。
弊社の金襴ならお見積もりをいたします。弊社では仕立てられませんので、ご自分で布を買って仕立てるか、仕立てに出すかでも変わってきます。弊社の金襴地は呉服として和服にするには向いていません。能衣装、打掛のような物でしたらお仕立て可能です。

どうやって管理すればいいの?

直射日光の当たらないところ、可能ならば桐箱に入れてしまってください。本金の織物なら退色はしませんが、まがい物は銀部分が黒っぽく変色します。絹は経年劣化します。正倉院展等行っても絹はずたずたになっていても金は残っているのです。

西陣織が似合うシーンって?

ドレスコードで言ったらフォーマルだとおもいますが、弊社はでは気軽に使えるクラッチバッグやバッグ類もご用意しています。筆者は、普段から金襴の物を身につけていますが特に目だったり浮いたりしてはいません。

自分の子供が小さいときには帽子を仕立てました。すぐどこかにいってしまうので目立って便利でした。西陣織金襴はどこのシーンでもお客様の存在を邪魔することなく引き立てる素敵な絹織物です。フォーマルから普段使いにどんどん取り入れてください。

現代ならではの着こなしを教えて下さい

フォーマルのみと考えずにご自由にお使いください。友人は龍のクラッチバッグをライダースと合わせてかっこよく着こなしてくれました。西陣織金襴はどこのシーンでもお客様の存在を邪魔することなく引き立てる素敵な絹織物です。フォーマルから普段使いにどんどん取り入れてください。

ドラゴン クラッチバッグ
ドラゴン クラッチバッグ

西陣織を使っていて良かったエピソードを聞かせて下さい

目を引きます。百貨店の店員さんなどにも褒められます。私はオリジナリティを持ったものを世の中に届けたい。

弊社の金襴製品を持っていて人と被るという事はほとんど無いと思います。なぜなら特注同然だから。

西陣織 全正絹 西陣金襴 燕矢紋様の帯
西陣織 全正絹 西陣金襴 燕矢紋様の帯

安価な織物に対して伝統工芸の立ち位置から、どう思いますか?

安価な織物、それは必要不可欠だと思います。なぜなら布は衣・住に直結している大事な生活の中の一枚です。私が以前から感じているのは「物は愛着を持って使うべし」という事です。安いから使い捨て、等と思ってしまうことは、製品、作った人に対してとても失礼な事なので愛を持って接する事のできる物を使っていきたいと思います。

生産者に対しても生産者が誇りを持って物を作り続けていける対価を払える価格設定が必要だと思います。
安価な製品でも作っている人が潤いのある生活をし、誇りを持って満足出来ていたらそれは素晴らしい事だと思います。
その製品に関わったすべての職人が、家族を持てて、衣食住に困ることなく子供の教育を施していける生活レベルを保てる価格設定が絶対に必要です。

どんな工程を踏むの?

ざっと言えば、糸屋が糸を仕入れ、織屋が買います。織屋が染め屋に染めの発注を出して、整経に出します。経継ぎをして織る準備。同時進行でデザインを決めます。紋意匠の相談を顧客として決定。意匠を描きます。描いた意匠を紋紙にします。紋紙を織り機にセットして織り出します。織りあがったら検反します。

手機は整理しながら織りますが、機械織の場合は織りあがったものを整理加工に出します。再度検反して納品となります。

一番、苦労する点は?

これはどの部分でも苦労はあります。一番といわれたらやはり紋意匠を決める点です。

どれ位で、職人として一人前になれる?

人によって違うと思います。筆者は18年居ますが全然まだまだです。でもどこの業界も同じなんじゃないかなあ。

今、人気なのはどんな柄?

弊社で言えば、法衣部門でも人気の定番がありますが、ネットで公開できません。

新規開拓部門では、

これらは人気があります。

汚したら、どうすればいいの?

汚さないように気をつけましょう。という訳には行かないので和服をクリーニングできる所に出したら大丈夫です。外国でしたら絹のクリーニングが可能なところに出してください。

これからの展望は?

こちらのブログを読んでいただいたら解るように約35、6年で織屋が約4分の1になっています

このままでは貴重な技術が途絶えてしまいます。この素晴らしい技術を後世に残していくのが私達西陣で働く者の義務だと思っています。

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