こんにちは、西陣岡本です。西陣織 販路開拓のお話 初期~ vol.2 西陣織 を織る一家の話の続きです。
前回、西陣織とジャカード織機についてを書きました。
今回は、自分の強み、弱みを知るというのが大事という事を書きます。販路開拓を始めるとかならず助言していただく話だと思います。
経営戦略、業界環境、社会環境、消費者評価(顧客ニーズ)を知る、「市場の機会(チャンス)」と「市場の脅威」を知る、内部環境を熟知し、ビジネスチャンスを逃さない。
自分の強み・弱みを知ることの重要性
今日は、私たちが販路開拓の過程で学んだことを共有したいと思います。特に、自分の強みと弱みを知る重要性についてです。
必要な知識と戦略
販路を拡大するためには、経営戦略、業界・社会環境、消費者評価(顧客ニーズ)を理解することが必要です。また、「市場の機会(チャンス)」と「市場の脅威」を知り、内部環境を熟知することが不可欠です。
克服すべき課題
私たち日本人は自己アピールが苦手で、特に私たちがいる西陣のような伝統的な地域では、自分の強みを主張することに抵抗があります。しかし、これを克服しなければ販路開拓は難しいです。
西陣の世界に入ってまだ20年ちょっとの著者は 西陣織 金襴の販路開拓をするにあたって西陣内部の人たちが何を考えているのか知りたいと思いました。
ブレインストーミングの実践
そこで実行したのが「ブレインストーミング」です。一週間に一度、40歳代から70歳代までの社員全員でブレインストーミングを実行しました。
家内制手工業で販路開拓をしたいけれど、もう色々と無理と思われている方にはブレインストーミングをお勧めします。自分たちの本質が朧気ながらも浮かび上がってきました。
しかし、一度には出てきませんので何度もブレインストーミングを実行し、出た結果を根気よくまとめていく必要がありました。今でもその苦労の形跡が著者のGoogle Driveに残っています。
興味のある方は、ブレインストーミング、マンダラート、その他、販路開拓などの言葉で検索して調べてみてください。玉石混交、色々な話が掲載されていますので参考になると思います。
こちらの図はこの時に出た言葉の一部をcopilotに図にしてもらったものです。
成果と感動
弊社の強みである、「自分のところの 西陣織 絹織物 」の美しさを表す言葉だけでも60種類ほど出ました。みんなが自分たちの仕事を言葉で表すことは「そんなん無理や」と言っていたのに、出てきたんです。
この過程を経て導き出された言葉が「暮らしの中にきらりと光る一品を」です。これは、私たちの製品が生活の中で特別な存在になることを目指しているという言葉でした。
結果、社員全員が「自分たちの仕事を褒めることができる」と感じ、私たち全員に大きな感動をもたらし、自分たちの仕事を見直す契機になりました。
あらゆる職人へのメッセージ
このブレインストーミングのような社内全体で自分たちの仕事の価値を考えるという訓練は弊社では初めてのことでした。
ブレインストーミングは、中小企業や家内制手工業の方々にもお勧めします。自分たちの仕事を客観的に知り、販路開拓に役立てることができます。
大手企業には多くのスキルアッププログラムがありますが、小さな会社でも時間をかけて強みを発見することで、大きな成果を得ることができます。一ヶ月に一度でもそのような時間を持てるだけで、プロの職人達が自分の仕事を振り返ることが出来ます。
何度も言いますが、ブレインストーミングは、私たちのような古くて小さな企業にもお勧めいたします。
日本の職人たちの仕事を自分たちでスキルアップして、世界へ届けることが増える日を心から願っています。