こんにちは。西陣の織屋、岡本織物です。
西陣で育ててもらった金襴織屋として「金襴はいったいどの様な所で使われているのか?」という疑問とともにふらふらと金襴を探して彷徨っております。
幸い、京都は神社仏閣、お地蔵さんが多いので金襴を探しやすい地盤です。
今日は千本今出川上るの「釘抜き地蔵」
釘抜きさんといえば、巣鴨の釘抜きさんが有名ですが、京都にも釘抜きさんがあります。
釘抜きさんが「石像寺」という名前だとはこの記事を書くまで知りませんでした。
子供と一緒に度々ここに遊びに来ていました。なんだか好きなんです。
このお寺は、弘法大師が819年に開いたお寺です。スーパーカリスマ空海。どこにいっても弘法大師の足跡があります。
本尊の石造り地蔵菩薩は空海(弘法大師)が等から持ち帰った石を彫って作ったとされている地蔵菩薩です。
この地蔵は苦しみを抜き取るということから苦抜(くぬき)地蔵と呼ばれそれがなまって釘抜き地蔵と呼ばれるようになったそうです。
ここの釘抜きさんは、昔昔、京都の大豪商の「紀伊国屋道林」という人が、なんでもない両手が痛くなりとても苦しいので「苦抜地蔵」に治るように願掛けをしに行ったところ、地蔵尊が夢に出てきて「あなたの手に二本の釘が刺さってる」といわはり、釘を取ってくれました。
夢から覚めた道林さん、お手手の痛みが無くなっておりそれから「釘抜き地蔵」と呼ばれるようになったと言う逸話が残っています。
釘抜きさん本堂北側。
判りますか?
奉納者の名前を書いた釘抜きと釘セットがずらりと壁に並んでいます。
この「釘抜き&釘セット」色々な思いが込められてるんだろうな。
肩こりから大病まで。
私も祖母や病気になってしまったお師匠さんの為にこちらでお守りを買い求めた事があります。
人間、わらにもすがる思いというのがありますからね。
こちらの釘抜きセットは「苦しみから解放された人たち」が奉納した絵馬ですって。
それはハッピーパワーだ!
ところで、前述の「紀伊国屋道林さん」ですが、お地蔵さんが出てきた夢の中でこういわれたそうです。
「お前の苦しみの原因は前世において人を恨み、呪いの人形(ひとがた)を作ってその手に八寸釘を打ち込んだ事にある。」
因果応報。呪いのパワーってすごいですね。
人を呪わば穴2つ。
自分に返ってきてしまいますからね。
そんなダークパワーを持ってしまうような気持ちにはなりたくない。
お寺自体は千本通りに面して西陣の東に位置します。
色んな所に釘抜きのオブジェがあります。
ここには歌人として有名な「藤原定家、家隆」が住んだこともあると伝えられ、境内にある墓地には定家、家隆、寂蓮の供養塔もあります。
私は寄せてもらった事はありませんが、毎月24日の午後1時から住職の法話が聞けるそうです。
そして参拝者はみんなで「おしるこの唄」を歌うそうです。
そのあとおしるこが振舞われます。
おしるこの唄~~!聴いてみたい!
--おしるこの唄--
- 今日も元気で 笑顔で声かわす 白い粉のような 心になって 地蔵しるこで 手をつなぎ 心安まる 地蔵さん
- 生きる喜びを 表に出して 今の幸せ 大切に 大きく育てて わかちあい やさしくほほえむ 地蔵さん
- 地蔵しるこの お陰をいただき 善き人達に 恵まれて 永く生きましょう 手を取りあって やさしいまなざし 地蔵さん
白い粉のような心・・・?
それはなんやろ。
ここは皆の憩いの場にもなっていて、ちょっとした床机がおいてあり、「ご自由にどうぞ」というお茶も置いてあります。
どうやら朝の6時頃などは近所の老若男女が集まり、四方山話に花を咲かせてはると言う噂です。
子供もウェルカムで、境内の小広場には三輪車なども置いてあり、自由気ままに乗って遊べます。上の写真にもちらっと三輪車が写っています。
子連れで参拝するのも楽しいですよ。
さてさて、本題。
金襴金襴。
アミアミで見えない・・・。
御鈴の台が金襴です。
こちらは本堂東側の祠。
隅切りかなあ。雪輪かなあ。唐花散しです。
こちらは本堂北西の「弘法大師」のお堂。
井戸です。今でも井戸で手水を汲んではります。
ほら。井戸井戸。
提灯が綺麗!
朱赤でかっこよいですね。
観音様などもいたるところにはります。
うちとこの金襴には出会えたことはありませんが、行く先々で金襴を探しています。
金襴って、なかなかありません・・・。やっぱり本堂に入り込んで打敷を見ないとダメですね。
とほほ。